クラシック以外のおすすめピアノソロ楽譜リスト

久石 譲「ピアノ・ストーリーズ」

久石譲さんの美しく壮大かつメランコリックな良曲が多く収録された、私が大好きで常に練習しているピアノソロ・アルバムの楽譜です。

久石譲の「ピアノ・ストーリーズ」は、映画音楽などで知られる美しい旋律を、久石譲自身がピアノ・ソロとして描き直した作品集です。全音楽譜出版社から刊行されている楽譜には、「A Summer’s Day」「Resphoina」「W Nocturne」「The Wind Forest」「Innocent」「Fantasia (For Nausicaa)」など10曲が収められています。

この楽譜の魅力は、単なる映画音楽の簡単なピアノ編曲ではなく、ピアノという楽器の響きを生かして、一つの音楽作品として再構成されているところにあります。右手の旋律を美しく歌わせながら、左手の伴奏やアルペジオを柔らかく整え、音の余韻まで意識して演奏すると、久石譲独特の透明感が現れてきます。

ピアノ学習者にとっては、メロディーを大切にすること、ペダルによる響きの作り方、強弱や間の取り方を学ぶのにも適した一冊です。クラシックとは異なる現代的な響きを楽しみながら、「楽譜に書かれた音を弾く」だけでなく、「音楽を語る」ためのピアノ表現を身につけたい人におすすめしたい作品集です。

久石 譲「ピアノ・ストーリーズ」
(全音楽譜出版社)

久石 譲「ENCORE」

久石譲さんが主に90年代に作曲した名曲のピアノソロ・アレンジメントが収録されています。「ピアノ・ストーリーズ」に比べると優しさや清々しさ、その一方で悲哀、機微、愛と悲劇を楽曲から感じます。

久石譲の「ENCORE」は、映画音楽を中心とする代表的なメロディーを、久石譲自身がピアノ・ソロとして新たに編曲した作品集です。「Summer」「Hatsukoi」「One Summer’s Day(あの夏へ)」「The Sixth Station(6番目の駅)」「HANA-BI」「Ashitaka and San」など11曲を収録。レコーディングに使用した楽譜をもとに本人が編曲・校訂しており、久石譲自身の音楽観を直接味わえる楽譜です。

「ENCORE」の特徴は、華やかな技巧を前面に出すのではなく、旋律の美しさとピアノの静かな響きを大切にしていることです。必要以上の音を省き、シンプルな音型の中に深い余韻を生み出すため、一音一音を丁寧に響かせることが重要になります。

ピアノ練習者にとっては、メロディーを歌わせる表現、ペダルによる音色の変化、静かな音楽の中での間や呼吸を学ぶのに適した一冊です。ジブリ作品のファンだけでなく、クラシックとは異なる現代的なピアノ音楽を楽しみたい人にもおすすめです。

久石 譲「ENCORE」
(全音楽譜出版社)

坂本龍一「all about BTTB」

坂本龍一さんの唯一のオリジナル・ピアノソロ・アルバム「BTTB」の楽譜です。タイトルの通り、坂本さんのルーツとなった、特にサティ、そしてショパン、ドビュッシー、プーランクを感じる、複雑ではないが職人的な作曲技法で作られた優れたピアノ小品が多く収められています。全体に、日本でもフランスでもない、クラシック的だけど現代の音楽でもある、明るくも暗くもない、空気や水のような普遍的でニュートラルな感触があります。静かなカフェやレストランでの演奏、現代的な作曲と作曲技法の学習に適していると思います。

坂本龍一の「all about BTTB」は、1998年に発表されたピアノ・ソロ・アルバム『BTTB(Back to the Basic)』を中心に、その音楽世界をピアノで楽しむための楽譜集です。坂本龍一の代表曲「energy flow」をはじめ、静謐で美しい旋律を持つ作品が収められ、クラシック、現代音楽、ミニマル・ミュージックなどの要素が織り込まれた独特のピアノ音楽を味わうことができます。

ピアノ練習者にとって大切なのは、速い指さばきや華やかな技巧よりも、一音一音の音色、フレーズの呼吸、音と音の間に生まれる余韻を意識することです。シンプルに見える楽譜ほど、タッチやペダル、強弱によって演奏の印象が大きく変わります。音を詰め込みすぎず、静けさを大切にして弾くことで、坂本龍一らしい透明感のある世界が立ち上がります。クラシックの練習曲とは異なる、現代的で詩的なピアノ表現を学びたい人におすすめの楽譜です。

ピアノソロ 坂本龍一 「all about BTTB」-BTTB ~ ウラBTTB-
(ヤマハミュージックエンタテイメント)

坂本龍一「/04」「/05」

坂本龍一の「/04」は、2004年に発表されたピアノ・ソロ・アルバム『/04』のオフィシャル・スコアブックです。坂本龍一自身による演奏をもとに、代表的な作品をピアノで弾くための楽譜としてまとめられており、「Merry Christmas Mr. Lawrence」「Aoneko no torso」「Energy Flow」「鉄道員(Poppoya)」など、坂本作品を象徴する美しい旋律に触れることができます。映画音楽やCM音楽など、さまざまな背景を持つ作品が、ピアノという最もシンプルな形に還元されているのも大きな魅力です。

ピアノ練習者にとって重要なのは、楽譜に並んだ音を正確に弾くだけでなく、音と音の間にある静けさまで表現することです。ゆっくりした旋律、繊細な和声、余白を生かしたフレージングは、タッチやペダルによって大きく印象が変わります。派手な技巧を必要とする作品ばかりではありませんが、シンプルだからこそ演奏者の感性が問われます。クラシックとは異なる現代的なピアノ表現を学びながら、坂本龍一の静謐で詩的な音楽世界を自分の手で味わえる一冊です。

坂本龍一の「オフィシャル・スコアブック /05」は、2005年に発表されたセルフカバー・アルバム『/05』をもとに、坂本龍一本人の監修によって作られた公式楽譜集です。全13曲を収録し、「Tibetan Dance」「A Flower is not a Flower」「Energy Flow」「Aqua」「The Last Emperor」「Thousand Knives」「The Sheltering Sky」「Shining Boy & Little Randy」など、初期の作品から映画音楽、CM曲まで幅広い音楽をピアノで味わうことができます。

この『/05』の面白さは、単なる過去作品の再録ではなく、坂本龍一自身によってピアノのために新しく構成し直されている点です。「Happyend」は4台のピアノによる大胆な再構成、「Thousand Knives」はソロ・ピアノ版として生まれ変わり、「Amore」は瞑想的な作品として編曲されています。

ピアノ練習者にとっては、音数の多い技巧的な作品を弾くというより、一音一音の響き、余白、ペダル、静かなフレージングを大切にすることが重要です。楽譜には坂本龍一本人による楽曲解説や演奏のTipsも収められており、作品を理解しながら練習できるのも魅力です。現代的で繊細なピアノ表現を身につけたい人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

注意:三分の一ほどの楽譜はピアノソロではなく、連弾や「ピアノソロあるいは連弾と片手での装飾的パート」の楽譜、「+33」はピアノ八手での「ピアノ・オーケストラ」作品になってます。一方で、チェロと韓国語ラップとピアノの曲「Undercooled acoustica」とチェロとピアノの「Tamago 2004」などは完全ピアノソロ・アレンジになっています。

オフィシャル・スコアブック 坂本龍一「/04」
(リットーミュージック)

オフィシャル・スコアブック 坂本龍一「/05」
(リットーミュージック)

ジョージ・ウィンストン「Piano Solos」

私が敬愛し尊敬する作曲家・ピアニスト、ジョージ・ウィンストンの楽譜集です。ウィンストンの楽曲と演奏にはクラシックとカントリー、ブルースがベースでありながらミニマム・ミュージックやアンビエントのフィーリングを感じる、優しさと懐かしさの一方で現代性と崇高な雰囲気が併立する唯一無二の響きがあります。

ジョージ・ウィンストンの「Piano Solos」は、アメリカのピアニスト・作曲家ジョージ・ウィンストンによる代表的なピアノ作品を集めた楽譜集です。彼の音楽は、クラシック、フォーク、ジャズ、ブルースなどの要素を取り入れながら、自然や季節の移ろいを感じさせる、穏やかで詩的な世界を作り出しています。美しい旋律と繊細な和声、そして独特のリズム感が魅力で、聴くだけでなく自分で弾くことで、その音楽の魅力をより深く味わうことができます。

ピアノ練習者にとって特に興味深いのは、技巧を誇示するのではなく、一つ一つの音をどのように響かせるかが重要になる点です。アルペジオやオスティナートを安定させながら、旋律を歌わせ、ペダルで豊かな余韻を作ることが演奏のポイントになります。クラシックの練習曲とは違った、自由で現代的なピアノ表現を学べる一冊であり、静かな音楽を自分の手で奏でたい人におすすめしたい楽譜集です。

GEORGE WINSTON – PIANO SOLOS
(Hal Leonard/シンコーミュージック)

ピアノ・ソロ Mr.Children Selection

ミスター・チルドレンの作品のピアノソロ・アレンジ・ヴァージョンが46曲、収録されいるソングブックです。特に「掌」「花 -Memento Mori-」「HERO」「君が好き」「しるし」などは、ピアノソロ曲としても優れていると思います。今のポップスのコード進行や作曲の学習として、私は購入しました。また、クラシックの練習に疲れた時の気分転換、リフレッシュメントにも用いることができます。

シンコーミュージックの「ピアノ・ソロ Mr.Children Selection」は、日本を代表するロックバンド、Mr.Childrenの名曲をピアノ・ソロで楽しめる楽譜集です。バンドサウンドではギターやドラム、ベースなどに支えられている楽曲を、ピアノ一台で演奏することで、桜井和寿によるメロディーや歌詞の世界をより身近に感じることができます。「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」など、幅広い時代の人気曲に触れられるのも魅力です。

ピアノ練習者にとっては、歌うようなメロディーを右手で表現しながら、左手の伴奏で曲全体の流れを作る練習に適しています。原曲の歌を知っている場合は、頭の中で歌いながら弾くことで、フレーズの方向性や強弱も自然に身につきます。クラシック作品とは異なるポップスならではのコード進行やリズム感を学ぶ教材としても面白く、好きな曲を弾く楽しさから、毎日のピアノ練習につなげたい人におすすめの一冊です。

ピアノ・ソロ Mr.Children Selection
(シンコーミュージック)

ウォン・ウィンツァン「ピアノ・コレクション」

ジャズからキャリアを始め、アヴァンギャルドやニューエイジを経てきた、日本・中国ハーフの作曲家・ピアニスト、ウォン・ウィンツァンのピアノソロの代表曲が収められいます。ヒーリングの技法や思想を音楽に取り入れた、優しくリラックスできる独特の音楽世界があります。

ウォン・ウィンツァンの「ピアノ・コレクション」は、瞑想的で透明感のある音楽を、自分自身のピアノで味わいたい人におすすめのピアノ・ソロ楽譜集です。2021年刊の改訂版には、「夜明けのまなざし」「旅のはじめに」「こころの時代」「水のうた、森のねむり」など、NHKの番組テーマとして親しまれてきた作品を含む全40曲が収録されています。

クラシックの技巧的な練習曲とは異なり、音数を抑えた旋律や美しい和声、ゆったりとした時間の流れを大切にしているため、音符を正確に弾くだけでなく、一音一音の響きや余韻を聴く練習にも適しています。初心者から中級者まで取り組みやすい曲が多く、日々の練習の合間に、音楽そのものを楽しむためのレパートリーとしても魅力的です。ウォン自身が楽譜収録曲を演奏しながら、演奏上のポイントを解説した動画も公開しているので、実際の響きを確かめながら学ぶことができます。

ウォン・ウィンツァン「ピアノ・コレクション」
(ドレミ楽譜出版社)

Ludovico Einaudi “The Best of Ludovico Einaudi”

イタリアのニューエイジを代表する作曲家で、ポスト・クラシカルの先駆けとなったルドヴィコ・エイナウディの代表曲を集めた楽譜集です。フィリップ・グラスのようなミニマル・ミュージックの要素が強くありながら、一方で、確かにイタリア・ラテン的なメランコリックな響きがします。

ルドヴィコ・エイナウディの「The Best of Ludovico Einaudi」は、現代のピアノ音楽を代表する作曲家の作品を一冊で楽しめる、ピアノ学習者にも魅力的な楽譜集です。「Nuvole Bianche」「Una Mattina」「Le Onde」「Divenire」「I Giorni」など、エイナウディを代表する作品が収められ、クラシック音楽の伝統を基礎としながら、ミニマル・ミュージックやポスト・クラシカルの感覚を取り入れた独自の世界を味わうことができます。技巧を前面に押し出す作品ではなく、繰り返される音型、静かな旋律、和声の変化、ペダルによって生まれる響きが音楽の大きな魅力となっているため、一音一音を丁寧に聴きながら演奏することが重要です。比較的取り組みやすい曲も多く、クラシックの基礎を学んだ人が現代的なピアノ・レパートリーへ進む入口としても適しています。単に音符を追うのではなく、余白や静けさまで表現することで、エイナウディならではの美しい音楽世界を自分の演奏として育てられる一冊です。

Ludovico Einaudi “The Best of Ludovico Einaudi”
(Ricordi – Bmg Ricordi)

ピアノソロ やさしくひける どうぶつの森 スーパーベスト

スローライフがテーマのゲーム「どうぶつの森」の楽譜です。8曲の優しい曲、ユーモラスな曲が収められています。

「ピアノソロ やさしくひける どうぶつの森 スーパーベスト」は、任天堂の人気ゲーム『どうぶつの森』シリーズの音楽を、ピアノで気軽に楽しみたい人のためのやさしい楽譜集です。ゲームの中で耳にした親しみやすいメロディーを中心に、ピアノ初心者やゲーム音楽をきっかけにピアノを始めた人でも取り組みやすいよう、無理のないアレンジでまとめられています。難しいクラシック作品とは異なり、知っている曲を弾く楽しさを感じながら、譜読みや両手奏、リズム、和音、ペダルなどの基本的な技術を身につけられるのが魅力です。お気に入りの曲から練習を始めれば、日々の練習にも取り組みやすく、完成したときの達成感も得られるでしょう。『どうぶつの森』の穏やかで温かな世界観を自分のピアノで再現しながら、楽しむことを大切にしたい学習者におすすめの一冊です。

ピアノソロ やさしくひける どうぶつの森 スーパーベスト
(ヤマハミュージックエンタテイメント)

ピアノ曲集 ドラゴンクエスト I・II・III オフィシャル・スコア・ブック すぎやまこういち 監修

RPGゲーム「ドラゴンクエスト I・II・III」のピアノソロ・アレンジ47曲、収録されていて、すぎやまこういちさんの独特の甘く優しいメロディや勇ましい曲調を堪能することができます。演奏レベルは中級です。IV以降に比べると、バロック〜古典派的な作風さと思います。

「ピアノ曲集 ドラゴンクエスト I・II・III オフィシャル・スコア・ブック」は、すぎやまこういちが作曲した『ドラゴンクエスト』初期3作品の音楽を、ピアノで楽しむための公式楽譜集です。ゲーム音楽として広く親しまれている「序曲」「ラダトーム城」「広野を行く」「Love Song 探して」「冒険の旅」「おおぞらをとぶ」など、シリーズを代表する名曲をピアノ・ソロで演奏できるのが大きな魅力です。壮大な冒険を感じさせる音楽から、城や町の穏やかな音楽、戦闘曲まで、作品ごとに異なる雰囲気を味わいながら幅広い表現を学ぶことができます。すぎやまこういちの旋律は親しみやすい一方、伴奏の動きや和音にはクラシック音楽の影響も感じられ、単なるゲーム音楽のアレンジにとどまらない音楽的な面白さがあります。『ドラゴンクエスト』が好きな人はもちろん、ゲーム音楽をきっかけにピアノのレパートリーを広げたい学習者にもおすすめの一冊です。

ピアノ曲集 ドラゴンクエスト I・II・III オフィシャル・スコア・ブック すぎやまこういち 監修
(ケイ・エム・ピー)

ピアノ曲集 ドラゴンクエスト IV オフィシャル・スコア・ブック すぎやまこういち 監修

上記に続く、ドラゴンクストIV楽譜です。IIIまでと比べると作曲はロマン派的で、ヴァリエーション豊かな曲が収められています。

「ピアノ曲集 ドラゴンクエスト IV オフィシャル・スコア・ブック」は、すぎやまこういちが作曲した『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の音楽を、ピアノで楽しむための公式楽譜集です。「序曲」「間奏曲」「勇者の仲間たち」「街でのひととき」「勇者の故郷」「馬車のマーチ」「戦闘―生か死か―」「導かれし者たち」など、ゲームを彩る印象的な楽曲をピアノ・ソロで演奏することができます。華やかで力強い作品だけでなく、町や村、旅、故郷などを描いた叙情的な音楽も収録されており、曲ごとに異なる雰囲気を表現する楽しさがあります。すぎやまこういちの音楽は、ゲーム音楽でありながらクラシック音楽の語法を感じさせる旋律や和声が随所にあり、メロディーを歌わせることや伴奏とのバランスを学ぶ教材としても興味深いものです。『ドラゴンクエストIV』を愛する人はもちろん、親しみやすいゲーム音楽からピアノの表現力を身につけたい学習者にもおすすめしたい一冊です。

ピアノ曲集 ドラゴンクエスト IV オフィシャル・スコア・ブック すぎやまこういち 監修
(ケイ・エム・ピー)

松任谷由実 ベスト/ピアノ曲集 初級ソロ・アレンジ

「松任谷由実 ベスト/ピアノ曲集[改訂版](初級ソロ・アレンジ)」は、松任谷由実の長い音楽活動から生まれた数々の名曲を、ピアノ初心者でも楽しみながら演奏できるようにアレンジした楽譜集です。「卒業写真」「中央フリーウェイ」「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」「守ってあげたい」「春よ、来い」など、世代を超えて親しまれている楽曲を、自分のピアノで味わえるのが魅力です。初級向けのソロ・アレンジなので、原曲の雰囲気を大切にしながら、無理のない音域や伴奏にまとめられており、クラシックの教材とは違った実践的なレパートリーとして取り組めます。美しいメロディーを右手で歌わせ、左手の伴奏とのバランスを整えることで、旋律を表情豊かに弾く力も身につきます。知っている曲を一曲ずつ仕上げていく楽しさがあり、基礎練習の合間の気分転換にも最適です。ユーミンの音楽が好きな人はもちろん、ポップスを通してピアノをもっと身近に楽しみたい学習者にもおすすめの一冊です。

松任谷由実 ベスト/ピアノ曲集 初級ソロ・アレンジ
(ドリームミュージックファクトリー)

米津玄師 「STRAY SHEEP」PIANO SCORE

米津玄師「STRAY SHEEP」PIANO SCOREは、2020年に発表され大きな話題となったアルバム『STRAY SHEEP』の楽曲を、ピアノで楽しむための楽譜集です。「感電」「Lemon」「馬と鹿」「パプリカ」「海の幽霊」「Flamingo」など、米津玄師を代表する作品をピアノ・ソロで演奏できるのが魅力です。原曲の持つ独特なメロディーやリズム、印象的な和声をピアノという一つの楽器で表現することで、ポップスの演奏ならではの面白さを味わえます。特に米津玄師の楽曲は、単純に旋律を弾くだけではなく、リズムの切れ味や音の強弱、フレーズの方向性を意識することで、より生き生きとした演奏になります。クラシックの練習曲とは異なり、普段から聴き慣れている曲を題材に、譜読みや両手の協調、リズム感、表現力を磨けるのもポイントです。米津玄師の音楽が好きな人はもちろん、現代のポップスをピアノ・レパートリーに取り入れたい学習者にもおすすめの楽譜集です。

米津玄師 「STRAY SHEEP」PIANO SCORE
(シンコーミュージック)

(この記事は、GeminiとChatGPTの協力を得て執筆されました。この記事は、まだ知らない音楽を発見するのに役立つ参考資料として作成されています。この記事の内容は完全に正確であることを保証するものではありません。信頼できる情報源で情報をご確認の上、ご参照ください。)

ピアノ初心者から中級者へ 超定番・最小限ピアノ楽譜リスト バイエルからジムノペディ ショパン ワルツまで

学習順ピアノ教本 練習曲 楽譜リスト 初心者から中級者まで

難易度順 ピアノソロ教育的性格小品・組曲リスト

初歩から難曲まで ピアノ・エチュード&技術練習曲リスト

クラシックピアノ 知られざる名曲 どこかで聴いた名曲 楽譜リスト

難易度順 J. S. バッハ ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ショパン ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 シューマン ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 チャイコフスキー ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ドビュッシー ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ラヴェル ピアノ楽譜 曲集リスト

楽譜リスト・インデックス 英語版

クラシックピアノ 知られざる名曲 どこかで聴いた名曲 楽譜リスト

「あやつり人形の葬送行進曲」シャルル・グノー

シャルル・グノーの《あやつり人形の葬送行進曲》は、フランスの作曲家グノーが1860年代に作曲したユーモラスで印象的な小品です。題名の通り、人形たちが葬列をつくって歩いているような、どこか滑稽でありながら少し不気味な雰囲気を持っています。特に20世紀には、アルフレッド・ヒッチコックのテレビ番組のテーマ音楽として使われたことで広く知られるようになりました。ピアノ独奏用の楽譜も数多く出版されており、原曲のコミカルな性格を楽しみながら演奏できます。技術的には比較的取り組みやすい作品ですが、行進曲らしい一定のリズムを保ち、スタッカートやアクセントを効果的に使うことが重要です。単に機械的に弾くのではなく、少し大げさなくらいに「人形が歩く」様子を想像すると、作品のユーモアが引き立ちます。楽譜を選ぶ際には、原曲の雰囲気を生かした編曲で、強弱やアーティキュレーションが明確に記された版がおすすめです。短く親しみやすく、発表会や気分転換の一曲としても楽しめる作品です。

グノー ピアノ曲集
(カワイ出版)

「金の星」ストリーボッグ

ルイ・ストリーボッグの《金の星》は、19世紀から20世紀初頭にかけてピアノ学習者に親しまれた、明るく華やかなピアノ小品です。軽快で覚えやすい旋律と、きらきらとした装飾音を持ち、演奏するとまるで夜空に星が輝いているような楽しい雰囲気を味わうことができます。ストリーボッグは、ピアノ学習者向けの作品を数多く残した作曲家で、《金の星》もその代表的な一曲として、現在でも発表会や教材、初心者向けの楽譜集などで取り上げられています。技術的には比較的やさしく、ピアノを始めてしばらくした人が、短い曲の中で旋律を美しく歌わせたり、軽やかなタッチを身につけたりするのに適しています。特に右手のメロディーをはっきりと浮かび上がらせ、左手を軽く整えて演奏することがポイントです。楽譜を選ぶ際には、運指や強弱記号が分かりやすく記された学習者向けの版がおすすめです。難しい作品の合間に気軽に楽しめる一曲として、また子どもの頃に弾いた思い出の曲をもう一度弾きたい人にもぴったりの、親しみやすいピアノ小品です。

ストリーボッグ・ピアノ小品集
(ドレミ楽譜出版社)

「すみれ」ストリーボッグ

ルイ・ストリーボッグの《すみれ》は、19世紀のピアノ学習者に広く親しまれた、可憐で親しみやすいピアノ小品です。小さな花を思わせるような穏やかな旋律と軽やかな伴奏が特徴で、素朴で美しいメロディーを楽しみながら演奏することができます。ストリーボッグは、ピアノを学ぶ子どもや初級者のための作品を数多く残しており、《すみれ》もまた、技術的な負担が比較的少ない一方で、音楽的な表現を学ぶことのできる作品です。右手の旋律をただ正確に弾くだけでなく、歌うようになめらかに奏で、左手の伴奏を軽く控えめに保つことが美しく仕上げるポイントです。また、フレーズの終わりに自然な呼吸を感じさせることで、より優雅で柔らかな印象になります。楽譜を選ぶ際には、運指や強弱、アーティキュレーションが分かりやすく記された学習者向けの版がおすすめです。発表会のレパートリーとしてはもちろん、久しぶりにピアノを弾く人が気軽に楽しむ一曲としても適しています。短い作品の中で、旋律を歌わせる喜びを味わえる小品です。

「すみれ ストリーボッグ」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

ストリーボッグ・ピアノ小品集
(ドレミ楽譜出版社)

「花の歌」グスタフ・ランゲ

グスタフ・ランゲの《花の歌》は、19世紀ドイツの作曲家・ピアニスト、グスタフ・ランゲが残した愛らしく親しみやすいピアノ小品です。美しく流れる旋律と軽やかな伴奏、華やかな装飾音が特徴で、演奏するとまるで色とりどりの花が咲き誇る庭を散歩しているような明るい雰囲気を味わえます。技術的には高度すぎず、初級から中級へ進むピアノ学習者にも取り組みやすい一方、単に音符を正確に弾くだけではなく、旋律を歌わせる表現力や、右手と左手のバランス、フレーズの自然な呼吸を学ぶのにも適しています。楽譜を選ぶ際には、音符の読みやすさだけでなく、運指や強弱記号が分かりやすく記された版を選ぶとよいでしょう。発表会や日々の練習曲としてはもちろん、クラシック・ピアノの美しい小品を気軽に楽しみたい人にもおすすめしたい一曲です。

「花の歌 ランゲ」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

「グスタフ・ランゲ ピアノ曲集 花の歌」
(河合楽器製作所・出版事業部)

「天国と地獄」オッフェンバッハ

ジャック・オッフェンバックの《天国と地獄》は、19世紀フランスの作曲家が手がけたオペレッタで、特に序曲の終盤に登場する「カンカン」で広く知られている作品です。軽快で勢いのある旋律と、ユーモラスで華やかな音楽が魅力で、ピアノ独奏用にもさまざまな編曲版が出版されています。ピアノで弾く場合は、原曲のオーケストラによる賑やかな響きを想像しながら、リズムを歯切れよく、テンポよく演奏すると楽しさが際立ちます。難易度は編曲によって大きく異なり、初心者向けに簡略化された楽譜から、華やかな技巧を盛り込んだ演奏会向けの版まで幅広くあります。特に有名な「カンカン」の部分を弾いてみたい人は、自分のレベルに合った楽譜を選ぶとよいでしょう。右手の速い動きだけでなく、左手の伴奏を安定させ、アクセントや強弱を明確にすることが演奏のポイントです。クラシック音楽の中でも親しみやすく、弾いていて気分が明るくなる一曲として、レパートリーに加えたい作品です。

「天国と地獄 オッフェンバッハ」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

「組曲『アルルの女』のメヌエット」ビゼー

ジョルジュ・ビゼーの《アルルの女》より「メヌエット」は、フランスの作曲家ビゼーを代表する美しい旋律の一つです。もともとは劇音楽《アルルの女》のために書かれ、ビゼー自身が組曲としてまとめた第2組曲ではなく、後に友人エルネスト・ギローが編曲した第2組曲の中で「メヌエット」として知られるようになりました。繊細で優雅な旋律と、どこか物憂げな哀愁を帯びた響きが魅力で、原曲ではハープや木管楽器によって奏でられる美しい音色を、ピアノ独奏でも楽しむことができます。ピアノで弾く際には、右手の旋律を十分に歌わせながら、左手の伴奏を控えめに保ち、フランス音楽らしい透明感のある響きを意識するとよいでしょう。技術的には比較的取り組みやすく、初級後半から中級程度の学習者にもおすすめです。楽譜は原曲に近い編曲版から、学習者向けに簡略化された版まであります。美しい旋律を味わいながら、表現力を磨くレパートリーとして楽しみたい一曲です。

「組曲「アルルの女」のメヌエット ビゼー」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

「ビゼー「アルルの女」組曲 第1番・第2番」
(全音楽譜出版社)

「乙女の祈り」バダジェフスカ

テクラ・バダジェフスカの《乙女の祈り》は、19世紀ポーランドの女性作曲家バダジェフスカを代表するピアノ小品で、世界中で広く親しまれてきた愛らしい作品です。原題は《La prière d’une vierge(乙女の祈り)》で、1856年に発表されました。穏やかで優美な旋律と、規則正しく流れるアルペジオを中心とした伴奏が美しく、演奏すると可憐で夢見るような雰囲気を味わうことができます。技術的には比較的取り組みやすい作品ですが、単純に音符を並べるだけでは魅力が十分に伝わりません。右手の旋律をよく歌わせながら、左手の伴奏を軽く柔らかく保ち、ペダルによって響きを美しく整えることがポイントです。ピアノを始めたばかりの人が少し華やかな作品に挑戦したいときにも適しており、発表会や人前での演奏にも向いています。楽譜を選ぶ際には、運指やペダル、強弱記号が分かりやすく記された版がおすすめです。親しみやすいメロディーの中に、19世紀のサロン音楽らしい魅力を感じられる一曲です。

「乙女の祈り バダジェフスカ」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

ピアノのための二つの小品「憾」と「メヌエット」瀧廉太郎

瀧廉太郎の《日本的主題による二つの小品》は、日本の近代音楽の黎明期に生まれた貴重なピアノ作品です。「メヌエット」と、瀧の最後のピアノ作品として知られる「憾(うらみ)」の2曲から成り、西洋音楽の形式や和声を学んだ瀧が、日本人の感性をピアノという西洋楽器によって表現しようとした作品として興味深い存在です。「メヌエット」には端正で優雅な趣が感じられる一方、「憾」では一転して、短い作品の中に深い哀しみや緊張感が凝縮されています。とりわけ「憾」は、23歳という若さで亡くなった瀧廉太郎の晩年を象徴する作品として、特別な重みを持っています。ピアノを弾く人にとっては、難曲ではありませんが、旋律を美しく歌わせること、和音の響きを丁寧に聴くこと、静かな部分に込められた感情を表現することが重要です。楽譜を選ぶ際には、原典に忠実で、強弱やフレージング、運指などが分かりやすく示された版がおすすめです。日本のピアノ音楽の原点に触れる一冊として、ぜひ手元に置きたい作品です。

特に、《憾(うらみ)》は、日本の近代音楽史において特別な意味を持つ、彼の最後のピアノ作品です。1903年、病に苦しんでいた瀧が亡くなる直前に作曲したとされ、わずか23歳でこの世を去った作曲家の、深い哀しみや無念さを思わせる作品です。短い曲ながら、冒頭から沈んだ旋律が静かに歌い始め、和音の響きや転調によって切実な感情が次第に浮かび上がります。《荒城の月》や《花》などの歌曲で知られる瀧廉太郎ですが、《憾》では歌曲とは異なる、より内面的で個人的な音楽世界に触れることができます。ピアノ学習者にとっては、単に音符を追うだけでなく、弱音の中にある緊張感、旋律の呼吸、和音の響きを丁寧に聴きながら演奏することが大切です。技術的には比較的取り組みやすい作品なので、音楽的な表現力を磨きたい人にも適しています。楽譜は原典に近い版を選び、作曲者自身が残した最後の言葉のような一音一音を大切に弾いてみたい作品です。

「ピアノのための二つの小品 滝廉太郎」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

(この記事は、GeminiとChatGPTの協力を得て執筆されました。この記事は、まだ知らない音楽を発見するのに役立つ参考資料として作成されています。この記事の内容は完全に正確であることを保証するものではありません。信頼できる情報源で情報をご確認の上、ご参照ください。)

リンク

ピアノ初心者から中級者へ 超定番・最小限ピアノ楽譜リスト バイエルからジムノペディ ショパン ワルツまで

学習順ピアノ教本 練習曲 楽譜リスト 初心者から中級者まで

難易度順 ピアノソロ教育的性格小品・組曲リスト

初歩から難曲まで ピアノ・エチュード&技術練習曲リスト

クラシック以外のおすすめピアノソロ楽譜リスト

難易度順 J. S. バッハ ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ショパン ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 シューマン ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 チャイコフスキー ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ドビュッシー ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ラヴェル ピアノ楽譜 曲集リスト

楽譜リスト・インデックス 英語版

初歩から難曲まで ピアノ・エチュード&技術練習曲リスト

バイエル教則本

フェルディナンド・バイエルの《ピアノ教則本》は、ピアノを始めたばかりの学習者が、楽譜を読む力と基本的な演奏技術を身につけるための代表的な入門教材です。音符の読み方から始まり、両手での演奏、指の使い方、音域の拡大、和音、伴奏型などを少しずつ学べるように構成されています。前半は非常に簡単な課題から始まるため、ピアノに初めて触れる人でも無理なく進められるのが特徴です。後半になると、メロディーと伴奏を意識した演奏や、さまざまなリズム、音型が登場し、次の段階の作品へ進むための基礎を作ります。基本的な指の独立や読譜力を身につけることができる一方、バイエルだけでは音楽的な表現を十分に学べないため、ブルグミュラーやグルリット、チャイコフスキーなどの性格的小品と並行して学ぶのもおすすめです。長く日本のピアノ教育で親しまれてきた、初学者のための基本教材の一つです。

標準バイエルピアノ教則本: 併用曲付
(全音楽譜出版社)

ツェルニー「第一課程練習曲 Op. 599」

カール・ツェルニーの《第一課程練習曲 Op.599》は、ピアノを始めた学習者が、基本的な指の動きや音符の読み方を身につけながら、ピアノ演奏の基礎を段階的に学ぶための代表的な練習曲集です。短い曲から少しずつ音域や音型が広がっていき、右手と左手を均等に動かすこと、音階的な音型、分散和音、レガート、スタッカートなど、初歩的な技術を順序よく経験できます。一曲ごとの課題が明確なので、練習の成果を確認しやすいことも特徴です。メロディーを歌わせる性格的小品とは異なり、基本的には技術習得を目的とした教材ですが、単に速く正確に弾くのではなく、音の粒を揃えること、リズムを安定させること、左右の音量を整えることを意識すると、後の演奏に役立つ確かな基礎が身につきます。バイエルと並行、あるいはバイエル終了後の基礎教材としても広く用いられており、初級者が本格的なピアノ・レパートリーへ進むための土台となる一冊です。

ツェルニー「第一課程練習曲」
(全音楽譜出版社)

ルモワーヌ「こどものための50の練習曲 作品37」

アンリ・ルモワーヌの《こどものための50の練習曲 Op.37》は、19世紀フランスのピアノ教育で広く用いられた初級者向けの練習曲集です。50曲それぞれが比較的短くまとめられており、ピアノを始めたばかりの学習者でも一曲ずつ無理なく取り組めるよう工夫されています。単純な指の訓練だけを目的とするのではなく、音階、分散和音、レガート、スタッカート、左右の手の独立など、ピアノ演奏に必要となる基本的な技術を、音楽的な小品として身につけていくことができます。曲想も変化に富み、同じような練習の繰り返しになりにくいのが魅力です。ブルグミュラーなどの作品に進む前段階の教材としても活用しやすく、楽譜を正確に読む力や、一定のテンポを保つ力を養うのにも適しています。基礎的なテクニックを身につけながら、「練習曲も音楽として楽しむ」という姿勢を育ててくれる、19世紀フランスのピアノ教育を知るうえでも興味深い一冊です。

ハノン「ピアノ教本」

ハノンの《60の練習曲によるピアノ教本》は、フランスのピアノ教育者シャルル・ルイ・ハノンによる、ピアノ演奏の基礎的な運動能力を養うための代表的な教材です。5本の指を均等に動かすこと、指の独立、左右の手の協調、音型を正確に反復する力などを身につけることを主な目的としています。前半の練習では比較的単純な音型を繰り返し、徐々に音域や音型、リズムなどが発展していきます。基本的には音楽的な鑑賞を目的とした作品集ではなく、毎日の基礎練習として活用する性格が強い教材です。そのため、速く弾くことだけを目標にせず、力みを避け、手首や腕を柔軟に保ちながら、一音一音を均一に弾くことが重要です。バイエルやブルグミュラーなどの楽曲と組み合わせれば、曲を演奏するための基礎的な指のコントロールを補うことができます。特に初級から中級へ進む学習者にとって、日々の練習習慣を作る教材として長く役立つ一冊です。

全訳ハノンピアノ教本
(全音楽譜出版社)

ブルグミュラー「25の練習曲 Op.100」

フリードリッヒ・ブルグミュラーの《25の練習曲 Op.100》は、ピアノ学習者にとって、基礎的な技術と音楽的な表現を同時に身につけることができる代表的なエチュード集です。「素直な心」「アラベスク」「牧歌」「清い流れ」「貴婦人の乗馬」など、25曲それぞれに個性的な題名と性格が与えられており、単なる指の訓練ではなく、一曲の音楽作品として楽しみながら学べます。レガートやスタッカート、アクセント、強弱、左右の手のバランス、旋律の歌わせ方など、ピアノ演奏に必要な基本技術が、それぞれの音楽的課題と結びついているのが大きな特徴です。比較的短い曲が多いため、初中級の学習者でも取り組みやすく、練習の成果を感じやすいでしょう。バイエルやツェルニーなどで基礎を学んだ後、より表情豊かな演奏へ進むための橋渡しとして特に優れた教材です。技術を学ぶことと音楽を楽しむことを両立できる、ピアノ教育における名曲集といえるでしょう。

ブルクミュラー「25の練習曲」
(全音楽譜出版社)

バルトーク「ミクロコスモス Sz.107」

バルトークの《ミクロコスモス》は、20世紀を代表する作曲家ベーラ・バルトークが、息子のピアノ学習のためにも書いた全153曲のピアノ曲集です。初心者向けのごく簡単な曲から演奏会レベルの作品まで、6巻にわたって段階的に難易度が上がっていくため、ピアノを学ぶ人が長く取り組める教材として知られています。音階やリズム、両手の独立、アクセント、スタッカート、ポリフォニーなど、ピアノ演奏に必要なさまざまな要素が盛り込まれていますが、単なる技術練習に終わらないところが大きな魅力です。ハンガリーや東欧の民俗音楽を思わせる独特のリズムや旋律、現代的な和声感覚によって、一曲ごとに新鮮な音楽世界が広がります。特に後半では、複雑な拍子や対位法、左右の手の交差など高度な課題も登場します。バイエルやブルグミュラーとは異なる20世紀の音楽語法に触れながら、テクニックと音楽的感性を同時に育てることのできる、非常にユニークなピアノ教材です。

バルトーク「ミクロコスモス1&2」
(音楽之友社)

バルトーク「ミクロコスモス3」
(音楽之友社)

バルトーク「ミクロコスモス4」
(音楽之友社)

バルトーク「ミクロコスモス5」
(音楽之友社)

バルトーク「ミクロコスモス6」
(音楽之友社)

ツェルニー「百番練習曲」

カール・ツェルニーの《百番練習曲》Op.139は、ピアノ学習者が基礎的な演奏技術を身につけるために書かれた、19世紀を代表する練習曲集の一つです。100曲の小品によって、指の独立、音階、分散和音、レガート、スタッカート、左右の手の協調など、ピアノ演奏に必要なさまざまな技術を段階的に学ぶことができます。ツェルニーの練習曲というと、指を速く動かすための機械的な訓練を連想しがちですが、《百番練習曲》は比較的易しい作品から始まり、少しずつ課題が発展していくため、初級から中級へ進む学習者にも取り組みやすい曲集です。一曲が短く、目的が明確なので、毎日の基礎練習にも適しています。また、単に「指を動かす」のではなく、均一な音、正確なリズム、テンポの安定、明瞭なアーティキュレーションを意識して練習することが大切です。バイエルやブルグミュラーを終えた後、さらに確かな技術を身につけたい学習者にとって、ツェルニーの豊富な練習曲に触れる入口となる一冊です。

ツェルニー 100番練習曲
(全音楽譜出版社)

デュベルノア「2つの練習曲」

ジャン=バティスト・デュベルノアの《2つの練習曲》は、初級から中級へ進むピアノ学習者が基礎的な演奏技術を身につけるための小品です。デュベルノアは19世紀フランスのピアノ教育で活躍した作曲家で、学習者の技術的な発達を考えた多くの練習曲を残しました。この2曲も、指を均等に動かすことや左右の手を協調させること、音の粒をそろえることなど、ピアノ演奏の基本を楽しみながら学べるように作られています。ツェルニーのような機械的な練習に偏らず、旋律やリズムを意識して演奏できる点も魅力です。短い作品だからこそ、一音一音のタッチやフレージング、アーティキュレーションに注意して練習すると、大きな効果が期待できます。バイエルやブルグミュラーなどで基礎を学んだ後、より多様な練習曲に触れてみたい人にも適しています。易しい作品であっても、ただ音符を正確に弾くだけでなく、音楽として表情豊かに仕上げることを意識すると、演奏する楽しさをさらに感じられるでしょう。

デュベルノア「二つの練習曲」
(全音楽譜出版社)

ベルティーニ「25のやさしい練習曲 Op. 100」

アンリ・ベルティーニの《25のやさしい練習曲 Op.100》は、初級から初中級のピアノ学習者に適した練習曲集です。19世紀フランスで活躍したベルティーニは、ピアノ教育のために数多くの作品を残しており、その練習曲は技術だけでなく、音楽的に美しく演奏することも大切にしています。25曲は比較的短く、音階や分散和音、指の独立、左右の手のバランス、レガートやスタッカートなど、ピアノ演奏の基本となる技術を無理なく身につけられるように構成されています。旋律がはっきりした親しみやすい曲も多く、単調な指の訓練になりにくいのも魅力です。特に、右手の旋律を歌わせながら左手を控えめに演奏することや、フレーズの方向を意識することは、将来より高度な作品を演奏するうえで重要な基礎となります。ブルグミュラー《25の練習曲》と同じく、技術練習と音楽表現を結びつけて学べる教材であり、バイエル修了後から中級教材へ進むまでの学習者にもおすすめできる一冊です。

ベルティーニ「25のやさしい練習曲 Op. 100」
(全音楽譜出版社)

ベルティーニ「24の小品集 Op. 32」

アンリ・ベルティーニの《24の小品集 Op. 32》は、初級から初中級程度のピアノ学習者が、基礎的な演奏技術と音楽表現を身につけるために適した作品集です。ベルティーニは19世紀フランスを代表するピアノ教育家・作曲家の一人で、学習者が無理なく技術を身につけながら、同時に音楽の楽しさを感じられるような作品を数多く残しました。本曲集でも、レガートやスタッカート、音階、分散和音、左右の手の独立、旋律と伴奏のバランスなど、ピアノ演奏に必要な基本技術がさまざまな形で取り入れられています。一曲ごとの規模が大きくないため、日々の練習曲として取り組みやすく、短い作品を丁寧に仕上げる習慣を身につけるのにも適しています。特に、右手の旋律を美しく歌わせながら左手を軽く伴奏させることや、フレーズの流れを意識して演奏することが重要です。単なる指の訓練ではなく、古典派からロマン派へとつながる19世紀のピアノ音楽の語法に親しみながら、自然な音楽表現を学べる魅力的な小品集です。

ベルティーニ「24の小品集 Op. 32」
(全音楽譜出版社)

アンリ・ベルティーニ「24の運指練習曲 Op. 29」

アロイス・シュミット「ピアノのための予備練習曲 Op. 16」

デュベルノア「テクニックのための教本 Op.120」

ジャン=バティスト・デュベルノアの《テクニックのための教本 Op.120》は、ピアノの基礎から中級へ進む学習者のために書かれた、15曲の「進度的練習曲」です。各曲が段階的に難しくなるよう構成されているため、一曲ずつ課題を克服しながら、無理なく演奏技術を高めていくことができます。内容には、指の独立や均等な動き、音階、分散和音、レガート、スタッカート、左右の手の協調など、ピアノ演奏に必要な基本技術が幅広く取り入れられています。デュベルノアの魅力は、技術的な課題を単なる指の運動としてではなく、旋律やリズムを持った音楽として学べるところにあります。練習の際には、音符を正確に弾くだけでなく、フレーズの方向や強弱、左右の手の音量バランスにも注意すると、より表情豊かな演奏につながります。ブルグミュラーやツェルニーなどと並行して学ぶのも効果的で、基礎的なテクニックを整理しながら、次の段階のピアノ作品へ進むための準備にもなるでしょう。短い練習曲を丁寧に仕上げることで、指の技術だけでなく、楽譜を読む力と音楽的な表現力も育てられる教材です。

デュベルノア「テクニックのための教本 Op.120」
ピアノのための15の進度的練習曲

ヘラー「リズムと表現のための練習曲 Op. 47」

ステファン・ヘラーの《リズムと表現のための練習曲 Op.47》は、19世紀のピアノ学習者に広く親しまれた、音楽性を重視した練習曲集です。ヘラーは、指を速く動かすためだけの機械的な練習ではなく、旋律を歌わせ、リズムを正確に感じ、楽曲に自然な表情を与えることを大切にしました。本曲集でも、レガート、スタッカート、アクセント、装飾音、左右の手の独立など、さまざまな技術的課題が音楽的な小品の中に巧みに組み込まれています。特に重要なのは、拍子やリズムを正確に保ちながら、フレーズの流れや強弱の変化を意識して演奏することです。一音一音を機械的に並べるのではなく、旋律の方向や呼吸を感じて弾くことで、練習曲が一つの音楽作品として生きてきます。ツェルニーのような技巧中心の練習曲とは異なる魅力があり、基礎的な指の技術を身につけながら、表現力やリズム感をさらに高めたい学習者に適しています。ブルグミュラーの練習曲から、より本格的なロマン派のピアノ作品へ進むための橋渡しとしても楽しめる一冊です。

ヘラー「リズムと表現のための練習曲」
(全音楽譜出版社)

ツェルニー「110番練習曲 Op.453」

カール・ツェルニーの《110番練習曲》は、ピアノ学習者が基礎的な演奏技術を身につけ、より高度な作品へ進むための練習曲集です。さまざまな技術的課題を一曲ずつ取り上げ、指の独立や均等な動き、音階、分散和音、レガート、スタッカート、左右の手の協調など、ピアノ演奏に必要な基本を総合的に学ぶことができます。ツェルニーの練習曲は「指の訓練」という印象を持たれがちですが、単に速く正確に弾くことだけが目的ではありません。一定のテンポを保ちながら、音の粒をそろえ、旋律と伴奏を適切に弾き分けることで、演奏の基礎となるコントロール力が養われます。一曲が比較的短いため、毎日の練習に取り入れやすく、苦手な技術を集中的に練習することもできます。バイエルやブルグミュラーなどを学んだ後、さらに指の動きや読譜力を高めたい人にも適しています。将来、ソナチネやソナタなどの本格的な作品に取り組むための土台を作る、実用的なピアノ教材です。

ツェルニー「110番練習曲」
(全音楽譜出版社)

ベレンス「四十の練習曲 Op.61」

ヘルマン・ベレンスの《40の練習曲 Op.61》は、ピアノ学習者が指の独立性や運指の正確さを身につけ、演奏技術を着実に高めていくための練習曲集です。各曲は比較的コンパクトにまとめられ、それぞれ異なる技術的課題が設定されているため、毎日の基礎練習にも取り入れやすい教材です。指を均等に動かすこと、音階や分散和音、レガート、スタッカート、左右の手の協調など、ピアノ演奏の基本となる技術を繰り返し練習することで、指先のコントロールと安定したタッチを養うことができます。ツェルニーなどの練習曲と同様に技術面を重視していますが、単なる機械的な指の運動としてではなく、リズムやフレーズ、強弱にも注意して演奏することが大切です。特に、ゆっくりしたテンポで一音一音を確認し、左右の音量や音の粒をそろえてから徐々に速度を上げていくと、効果的に練習できます。バイエルやブルグミュラーを終え、ツェルニーなどで基礎をさらに固めたい学習者にも適しており、中級レベルの作品へ進むための確かな指の基礎を作ってくれる実用的な練習曲集です。

ベレンス「四十の練習曲」
(全音楽譜出版社)

ブルグミュラー「18の練習曲 Op. 109」

ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルグミュラーの《18の練習曲 Op.109》は、《25の練習曲 Op.100》を終えたピアノ学習者が、より高度な技術と音楽表現を身につけるための練習曲集です。18曲それぞれに異なる性格と課題が与えられており、単なる指の訓練ではなく、一曲の音楽作品として仕上げることが求められます。音階やアルペジオ、和音、装飾音、左右の手の独立、速いパッセージなど、さまざまな技術的要素が盛り込まれている一方、旋律の歌わせ方やフレージング、強弱、テンポの変化など、ロマン派らしい豊かな表現も学ぶことができます。特に《25の練習曲》よりも音楽的・技術的な内容が充実しており、練習曲でありながら小さな演奏会用作品として楽しめるのも魅力です。ツェルニーの練習曲と並行して学べば、指の技術だけでなく、テクニックを音楽表現へ結びつける力を養うことができるでしょう。初級を終えて中級へ進む学習者にとって、ショパンなどのロマン派作品へ向かうための重要な橋渡しとなる一冊です。

ブルグミュラー「18の練習曲」
(全音楽譜出版社)

ツェルニー 「三十番練習曲」

カール・ツェルニーの《30番練習曲 Op.299》は、ピアノ学習者にとって最もよく知られた練習曲集の一つです。初級を終えて中級へ進んだ学習者が、より高度な演奏技術を身につけるための教材として、長く世界中で使われてきました。30曲それぞれに異なる技術的課題があり、音階やアルペジオ、分散和音、指の独立、左右の手の協調、速いパッセージなど、ピアノ演奏の基礎となる技術を総合的に鍛えることができます。特に、速い音型を均等かつ正確に演奏する力や、一定のテンポを維持する力を養うのに適しています。ただし、速く弾くことだけを目標にすると、音が硬くなったり、機械的な演奏になったりしやすいため注意が必要です。ゆっくりしたテンポから始め、正しい運指と自然な手の動きを身につけたうえで、フレーズや強弱にも意識を向けることが大切です。ブルグミュラー《25の練習曲》や《18の練習曲》を経て、ショパンやリストなどの本格的な作品へ進むための技術的な土台を築く教材として、現在でも重要な位置を占めています。

ツェルニー 30番練習曲
(全音楽譜出版社)

ツェルニー「四十番練習曲」

カール・ツェルニーの《40番練習曲》は、ピアノ学習者が高度な演奏技術を身につけるための代表的な練習曲集です。30番練習曲などで基礎的な技巧を身につけた後、さらに指の独立性、俊敏性、正確性を高めたい学習者に適しています。音階、アルペジオ、分散和音、重音、オクターヴ、装飾音、速いパッセージなど、ピアノ演奏で必要となるさまざまな技術的課題が盛り込まれており、曲が進むにつれて要求される運動も高度になっていきます。特に、速い音型を均一な音粒で演奏する力や、複雑なパッセージの中でもリズムを安定させる力を養うのに効果的です。一方で、単に指を速く動かすことだけを目的にせず、正しい運指、手首や腕の柔軟性、音の強弱、フレージングを意識することが重要です。技術的な課題を一つずつ克服しながら練習することで、難しい作品にも対応できる演奏力が身についていきます。ショパン、リスト、シューマンなどのロマン派作品へ進む前の重要な基礎教材として、また自分のテクニックを総合的に見直すための練習曲集として、現在でも高い価値を持つ一冊です。

ツェルニー「40番練習曲」
(全音楽譜出版社)

ヘラー「25の練習曲 Op. 45」

ステファン・ヘラーの《25の練習曲 Op.45》は、初級から中級へ進むピアノ学習者に適した、19世紀ロマン派の魅力を味わえる練習曲集です。ヘラーは、単純な指の訓練に終始する練習曲ではなく、旋律の美しさや繊細なニュアンスを大切にした作品を数多く残しました。本曲集でも、レガート、スタッカート、音階、分散和音、装飾音、左右の手の独立など、さまざまな技術的課題が小さな音楽作品の中に自然に組み込まれています。特に大切なのは、楽譜に書かれた音符を正確に弾くだけでなく、旋律を歌わせ、フレーズの方向や強弱を感じながら演奏することです。右手の旋律と左手の伴奏を適切に弾き分ける練習にもなり、音色やタッチを意識するきっかけにもなるでしょう。ツェルニーの練習曲とは異なる、詩的で表情豊かな音楽性がヘラーの大きな魅力です。ブルグミュラーなどで基礎を学んだ後、よりロマン派らしい表現力を身につけたい学習者にとって、技術と音楽性を同時に磨くことのできるおすすめの練習曲集です。

ヘラー「25の練習曲」
(全音楽譜出版社)

モシュコフスキー「20の小練習曲 Op. 91」

モーリッツ・モシュコフスキーの《20の小練習曲 Op.91》は、初中級から中級程度のピアノ学習者に適した、技巧と音楽性をバランスよく学べる練習曲集です。19世紀後半から20世紀初頭に活躍したモシュコフスキーは、華やかで流麗なピアノ作品を数多く残しました。本曲集でも、音階、アルペジオ、分散和音、指の独立、左右の手の交差、さまざまなリズムなど、ピアノ演奏に必要な技術が音楽的な小品の中に巧みに取り入れられています。ツェルニーの練習曲に比べると、旋律や和声がより色彩豊かで、ロマン派らしい表情を楽しみながら技術を磨けるのが大きな魅力です。速く正確に弾くことだけを目標にせず、フレージングやアクセント、強弱、音色の変化を意識することで、より豊かな演奏につながります。また、左右の手のバランスや手首の柔軟性を養ううえでも役立ちます。ツェルニー30番などで基礎的な技巧を身につけた学習者が、より華やかなロマン派のピアノ作品へ進むためのステップとしてもおすすめできる、実用性と演奏する楽しさを兼ね備えた練習曲集です。

モシュコフスキー「20の小練習曲」
(全音楽譜出版社)

ブルグミュラー「12の練習曲 Op. 105」

ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルグミュラーの《12の練習曲 Op.105》は、ブルグミュラーの練習曲の中でも比較的高度な技術と豊かな音楽表現を求められる作品集です。《25の練習曲 Op.100》で親しんだ可愛らしく分かりやすい小品とは異なり、より本格的なロマン派のピアノ音楽へ近づいた内容を持っています。12曲それぞれに異なる技術的課題が盛り込まれ、音階、アルペジオ、分散和音、重音、装飾音、速いパッセージ、左右の手の独立など、幅広い技巧を学ぶことができます。同時に、単なる指の訓練ではなく、旋律を美しく歌わせること、フレーズの方向を感じること、細かな強弱やアーティキュレーションを表現することも重要です。特に、右手と左手の役割を明確にしながら、豊かな音色と自然な呼吸を意識して演奏すると、作品の魅力が引き立ちます。ツェルニーの練習曲で技術を磨く一方、《12の練習曲》で音楽的な表現力を養うという学習方法も効果的でしょう。ブルグミュラーの音楽性をより深く知りながら、中級以降のロマン派作品へ進むための橋渡しとなる、充実した練習曲集です。

ブルグミュラー「12の練習曲」
(全音楽譜出版社)

ツェルニー「50番練習曲 Op. 740」

カール・ツェルニーの《50番練習曲 Op.740》は、ツェルニーの練習曲の中でも特に高度な技巧を求められる曲集で、上級ピアノ学習者が本格的な演奏技術を身につけるための代表的な教材です。50曲それぞれに異なる技術的課題が与えられ、急速な音階やアルペジオ、分散和音、重音、オクターヴ、跳躍、装飾音、左右の手の独立など、非常に幅広い技巧を集中的に鍛えることができます。《30番練習曲 Op.299》や《40番練習曲 Op.299》などを経て、さらに高度なテクニックを磨きたい学習者に適しています。特に、速いパッセージを均一かつ明瞭に弾く能力や、複雑な音型を正確にコントロールする力を養うのに効果的です。ただし、最初から速いテンポで練習するのではなく、ゆっくりとしたテンポで運指と手の動きを確認し、無駄な力を抜いて徐々に速度を上げることが重要です。また、単なる指の訓練として扱わず、フレージングやアクセント、強弱にも目を向けることで、技巧を音楽表現へ結びつけることができます。ショパン、リスト、ラフマニノフなど、華やかで高度なピアノ作品に取り組むための技術的な土台を築く、上級者向けの本格的な練習曲集です。

ツェルニー「50番練習曲 Op. 740」
(全音楽譜出版社)

クラーマー=ビューロー「60の練習曲」

ヨハン・バプティスト・クラーマーの練習曲を、19世紀後半の名ピアニスト・教育者ハンス・フォン・ビューローが校訂した《60の練習曲》は、ピアノ学習者が高度な技巧と音楽的な表現力を身につけるための重要な練習曲集です。クラーマーの練習曲は、単純な指の運動に終わらず、旋律を歌わせながら細かな音型を正確に弾くことを重視しています。スケールやアルペジオ、分散和音、装飾音、レガート、左右の手の独立など、多様な技術的課題が各曲に盛り込まれており、指の均一性や独立性、タッチのコントロールを養うことができます。ビューローの校訂では、運指やアーティキュレーション、フレージングなどが細かく示されており、楽譜をどのように読み、どのように演奏へ結びつけるかを学ぶうえでも有益です。ツェルニーの練習曲と比較すると、技巧だけでなく旋律や和声の流れを意識した音楽的な内容が豊かで、練習曲そのものを音楽作品として楽しめるのも魅力です。中級から上級へ進む学習者が、指の技術と表現力をさらに磨くための、伝統的かつ充実した練習曲集です。

クラーマー=ビューロー「60の練習曲」
(全音楽譜出版社)

モシェレス「24の練習曲 Op. 70」

イグナーツ・モシェレスの《24の練習曲 Op.70》は、19世紀前半のピアノ音楽を代表する重要な練習曲集の一つです。モシェレスは当時屈指のピアニストとして活躍し、ベートーヴェンからショパン、リストへとつながるピアノ演奏の発展にも大きな役割を果たしました。本曲集では、音階、アルペジオ、分散和音、重音、装飾音、速いパッセージ、左右の手の独立など、幅広い技術的課題が扱われています。一方で、単なる指の訓練にとどまらず、明瞭なアーティキュレーションや自然なフレージング、旋律と伴奏のバランスなど、音楽的に演奏するための技術も重視されています。古典派的な明快さを基礎としながら、華やかな技巧やロマン派的な表情も感じられるため、練習曲そのものから19世紀のピアノ音楽の変化を学べるのも魅力です。ツェルニーやクラーマー=ビューローとはまた異なる、やや華麗で演奏会的な性格を持つ練習曲集として楽しめます。中級から上級へ進む学習者が、指の技術を高めながら、古典派とロマン派をつなぐピアノ表現を身につけるために適した一冊です。

モシェレス「24の練習曲」
(全音楽譜出版社)

ブラームス「51の練習曲 WoO 6」

ヨハネス・ブラームスの《51の練習曲 WoO 6》は、ブラームスが晩年にまとめたピアノのための技術的・音楽的な練習曲集です。一般的な練習曲のように華やかな演奏効果を追求するのではなく、指の独立性、柔軟性、正確な運指、左右の手の協調など、ピアノ演奏の根本となる技術を徹底的に磨くことを目的としています。特に、5本の指をそれぞれ独立して動かすことや、親指を含む指の交差、重音、装飾音、トリルなどを通して、細かなタッチをコントロールする力を養うことができます。また、ブラームス自身の演奏経験に基づいた実践的な内容を持ち、単に速く弾くことではなく、無駄な力を使わずに音をコントロールすることの重要性を教えてくれます。一見すると地味な練習に感じられる曲もありますが、ゆっくり丁寧に取り組むことで、音の粒をそろえる力や繊細な表現力が身についていきます。ツェルニーやモシュコフスキーとは異なる、より内面的で実践的なテクニックを学べる点も魅力です。中級から上級の学習者が、自分の演奏技術を根本から見直すためにも非常に有益な練習曲集です。

ブラームス「51の練習曲」
(全音楽譜出版社)

リスト「12の練習曲作品1番」

リストの《12の練習曲 Op.1》は、若き日のフランツ・リストが作曲した初期の練習曲集で、後の《超絶技巧練習曲》へとつながる重要な作品です。現在のリストから想像する華麗で巨大な技巧作品とは異なり、ショパンや古典派の影響も感じられる比較的簡潔な音楽ですが、すでに速いパッセージ、分散和音、跳躍、両手の細かな動きなど、ピアニストとして必要となるさまざまな技術的課題が盛り込まれています。一方で、単なる機械的な指の訓練ではなく、旋律の歌わせ方やフレージング、アクセント、強弱などを考えながら演奏する必要があり、音楽的なエチュードとしても興味深い作品です。難易度は中級後半から上級程度で、ブルグミュラーやツェルニーなどを経て、ショパンやリストの本格的なエチュードへ進む学習者に適しています。若きリストがどのように技巧的なピアノ音楽を発展させていったのかを知るうえでも、貴重な練習曲集です。

リスト「12の練習曲 作品1番」
(全音楽譜出版社)

サン=サーンス「エテュード集 Op. 52, Op. 111」

サン=サーンスの《6つの練習曲 Op.52》は、フランス・ロマン派を代表する作曲家が若い時期に書いた、技巧と音楽性を兼ね備えたエチュード集です。各曲には異なる技術的課題が設定されており、音階やアルペジオ、反復音、分散和音、左右の手の独立など、ピアノ演奏に必要な技術を幅広く学ぶことができます。しかし、単なる指の訓練ではなく、明快な構成と美しい旋律、洗練された和声によって、一曲一曲が独立した音楽作品として楽しめるのが大きな魅力です。難易度は中上級から上級程度で、ツェルニー40番・50番などを学んだ後に取り組むとよいでしょう。ショパンやリストのエチュードとは異なる、端正で知的、そして優雅なフランス的ピアノ書法に触れられる作品集です。

カミーユ・サン=サーンスの《6つの練習曲 Op.111》は、フランス・ロマン派を代表する作曲家が、ピアノの技巧と音楽的表現を結びつけて書いた充実したエチュード集です。各曲には異なる技術的課題が設定されていますが、単純な指の訓練に終わらず、旋律の歌わせ方、フレージング、リズム、音色、左右の手のバランスなど、音楽作品としての完成度も高いのが特徴です。サン=サーンスらしい明快で洗練された書法と、フランス音楽特有の優雅な響きを楽しみながら、演奏技術を高めることができます。難易度は全体として中上級から上級程度で、ツェルニー40番・50番やショパンの比較的取り組みやすい練習曲を経験した学習者に適しています。技巧を身につけるだけでなく、速いパッセージを軽やかに弾くことや、繊細な音色を作ることなど、より洗練されたピアノ演奏を目指すうえで有益な作品です。ショパンやリストとは異なる、フランス的なエレガンスを持つエチュードとしても魅力的な一冊です。

サン=サーンス「エテュード集 Op. 52, Op. 111」
(全音楽譜出版社)

モシュコフスキー「15の練習曲 Op. 72」

モシュコフスキーの《15の練習曲 Op.72》は、19世紀末のピアノ教育を代表するエチュード集の一つで、華やかな技巧と豊かな音楽性を同時に身につけられる作品です。各曲には異なる技術的課題が盛り込まれており、音階やアルペジオ、分散和音、オクターヴ、跳躍、細かなパッセージなど、上級のピアノ演奏に必要となる多彩な技術を総合的に鍛えることができます。一方で、モシュコフスキーらしい流麗な旋律、美しい和声、軽快なリズムによって、単なる練習ではなく本格的な演奏曲として楽しめるのも魅力です。難易度は中上級から上級程度で、ツェルニー40番・50番などを終え、さらに高度な技巧を身につけたい学習者に適しています。ショパンやリストのエチュードへ進む前の重要なステップとしても非常に有用で、華やかで洗練されたピアノ演奏を目指す人におすすめの一冊です。

モシュコフスキー「15の練習曲」
(全音楽譜出版社)

スクリャービン「12のエチュード Op.8」

アレクサンドル・スクリャービンの《12のエチュード Op.8》は、若き日の作曲家がショパンの伝統を受け継ぎながら、独自の情熱的で幻想的な音楽世界を切り開いた重要なエチュード集です。12曲それぞれに異なる技巧的課題があり、速いパッセージ、アルペジオ、オクターヴ、跳躍、和音、左右の手の独立など、上級者に求められるさまざまな技術を総合的に学ぶことができます。しかし最大の魅力は、技巧そのものよりも、濃密な旋律、劇的な強弱、複雑な和声、独特のリズムによって、一曲一曲が強い個性を持つ音楽作品として成立している点にあります。難易度は上級程度で、ショパンのエチュードなどを経験した学習者に適しています。高度な技巧だけでなく、情熱や緊張感、繊細なニュアンスを表現する力を養う作品集として、ロマン派から近代音楽へ進むうえでも特に価値の高い一冊です。

スクリアビン「ピアノ曲集 第1巻」
(全音楽譜出版社)

スクリャービン「エチュード集」
(音楽之友社)

スクリャービン「ピアノのための練習曲集 Op. 8」
(ベライエフ社)

クレメンティ「グラドゥス・アド・パルナッスム」

ムツィオ・クレメンティの《グラドゥス・アド・パルナッスム》は、古典派のピアノ教育を代表する重要な練習曲集で、ピアノの基礎から高度な演奏技術までを段階的に学べる作品です。全100曲からなり、音階、アルペジオ、重音、トリル、レガート、指の独立、左右の手の均衡など、鍵盤楽器の演奏に必要なさまざまな技術が体系的に取り入れられています。ツェルニーなどの練習曲集と比べても、古典派らしい明快な形式と端正な音楽性が特徴で、単に指を動かすだけでなく、フレージングやアーティキュレーション、声部のバランスを学ぶ教材としても優れています。難易度は初中級から上級まで幅広く、曲を選びながら段階的に取り組めるのも魅力です。モーツァルトやベートーヴェンなどの古典派作品を演奏するための基礎を身につけたい学習者にとって、現在でも価値の高い名練習曲集といえるでしょう。

クレメンティ「グラドゥス・アド・パルナッスム」<
(全音楽譜出版社)

リスト「3つの演奏会用練習曲, S.144」

リストの《3つの演奏会用練習曲 S.144》は、超絶技巧で知られる作曲家が、ピアノの高度な技術と豊かな音楽表現を結びつけて書いた代表的なエチュード集です。「悲しみ」「軽やかさ」「ため息」の3曲からなり、それぞれ異なる性格と演奏技術を備えています。流麗な分散和音、速いパッセージ、跳躍、オクターヴ、重音など、高度な技巧を要求されますが、単なる練習曲ではなく、旋律の歌わせ方や音色、ペダリング、細かなニュアンスまで追求できる本格的な演奏作品です。特に《ため息》は抒情的で美しい旋律を持ち、技術だけでなく繊細な表現力を学ぶことができます。難易度は上級程度で、ショパンのエチュードなどを経験した学習者に適しています。技巧と芸術性の両方を高い次元で身につけたい人にとって、リスト作品への入り口としても魅力的な一冊です。

リスト「演奏会用練習曲集」
(全音楽譜出版社)

リスト「3つの演奏会用練習曲」
(ヘンレ社)

ドビュッシー「12の練習曲 CD 143」

ドビュッシーの《12の練習曲 CD 143》は、1915年に作曲された、近代ピアノ音楽を代表する革新的なエチュード集です。「5本の指のために」「3度のために」「4度のために」「8本の指のために」「オクターヴのために」「8本の指のために」など、それぞれの曲が特定の技巧を題材としていますが、従来の練習曲とは異なり、その技術を独特の和声や音色、リズム、響きの中に溶け込ませています。指の独立や音の粒をそろえる技術だけでなく、ポリフォニックな聴き方、微妙なタッチの変化、ペダリング、和声の色彩を感じ取る力も求められます。難易度は上級から非常に高度なレベルで、ショパンやリストのエチュードを経験した学習者にも大きな挑戦となるでしょう。技巧を磨きながら、印象主義から20世紀音楽へとつながるドビュッシー独自の響きを深く学べる、芸術性の非常に高い練習曲集です。

実用版 ドビュッシー ピアノ作品全集11「12の練習曲」
(ハンナ)

ドビュッシー「ピアノのための12の練習曲」
(全音楽譜出版社)

ドビュッシー「12の練習曲」
(音楽之友社)

ドビュッシー「練習曲集 原典版」
(ヘンレ社)

ショパン「エチュード集 Op.10」

ショパンの《12の練習曲 Op.10》は、19世紀のピアノ音楽に大きな革命をもたらした、エチュードの傑作集です。「別れの曲」「黒鍵」「革命」など、現在でも広く親しまれている作品を含み、技巧的な課題と高度な音楽表現が一体となっています。速いパッセージ、アルペジオ、オクターヴ、重音、左手の跳躍など、曲ごとに異なる技術が要求されますが、ショパンはそれらを単なる指の訓練としてではなく、豊かな旋律、繊細な和声、劇的な構成を備えた芸術作品へと昇華させています。難易度は上級程度で、ツェルニー50番やモシュコフスキーなどを経て、さらに高度な演奏技術を身につけたい学習者に適しています。技術的な完成度だけでなく、歌うようなフレージング、音色の変化、ペダリング、感情の起伏を表現する力も求められるため、本格的なピアノ演奏を目指すうえで非常に重要な作品集です。

ショパン「エチュード集」
(全音楽譜出版社)

ショパン「エテュード集 作品10」
(全音楽譜出版社)

コルトー版 ショパン「12のエチュード Op. 10」
(全音楽譜出版社)

ナショナル・エディション(エキエル版)ショパン「エチュード」
(全音楽譜出版社)

パデレフスキ編 ショパン全集 II「エチュード」
(ヤマハミュージックエンタテインメント)

ショパン「練習曲集 Op.10, 25 3つの新しい練習曲」原典版
(ヘンレ社)

ショパン「エチュード集」
(音楽之友社)

スクリャービン「8つのエチュード Op.42」

スクリャービンの《8つのエチュード Op.42》は、ロマン派から近代音楽へと向かう作曲家の個性が色濃く表れた、非常に魅力的なエチュード集です。各曲は独自の技巧と音楽的課題を持ち、急速な音階やアルペジオ、広い跳躍、重音、複雑なリズムなど、高度なピアノ技術を要求します。しかし、スクリャービンにとって技巧は目的ではなく、幻想的な響きや強烈な感情を生み出すための手段です。特に第1番の情熱的な流れ、第4番や第5番の緊張感、第8番の華麗な技巧など、曲ごとに異なる表情を味わうことができます。難易度は上級から非常に高度で、ショパンやリストのエチュードを経験した学習者に適しています。音の粒をそろえる技術だけでなく、和声を聴き分ける力、繊細なタッチ、ペダリング、自由な音楽表現を磨くことができる、20世紀ピアノ音楽への重要な一歩となる作品集です。

スクリアビン「ピアノ曲集 第1巻」
(全音楽譜出版社)

スクリャービン「エチュード集」
(音楽之友社)

スクリャービン「ピアノのための練習曲集 Op. 42」
(ベライエフ社)

ショパン「エチュード集 Op. 25」

ショパンの《12の練習曲 Op.25》は、《Op.10》と並ぶピアノ音楽史上屈指のエチュード集であり、高度な技巧と詩的な表現が見事に結びついた作品です。「エオリアン・ハープ」「蝶々」「木枯らし」「大洋」など、曲ごとに独自の性格と演奏効果が与えられ、単なる技術練習を超えた芸術作品として楽しむことができます。細かな分散和音、重音、オクターヴ、広い跳躍、複雑なポリフォニーなど、上級者に必要なさまざまな技術が要求される一方、旋律の歌わせ方、音色、ペダリング、声部のバランスなど、繊細な音楽的感覚も欠かせません。難易度は全体として上級から非常に高度で、Op.10を含むショパンのエチュードや、リスト、モシュコフスキーなどの作品を経験した学習者に適しています。技巧を磨くだけでなく、ピアノで詩情や幻想、情熱を表現する力を育てる、極めて完成度の高い作品集です。

ショパン「エチュード集」
(全音楽譜出版社)

ショパン「エテュード集 作品25」
(全音楽譜出版社)

コルトー版 ショパン「12のエチュード Op. 25」
(全音楽譜出版社)

ナショナル・エディション(エキエル版)ショパン「エチュード」
(全音楽譜出版社)

パデレフスキ編 ショパン全集 II「エチュード」
(ヤマハミュージックエンタテインメント)

ショパン「練習曲集 Op.10, 25 3つの新しい練習曲」原典版
(ヘンレ社)

ショパン「エチュード集」
(音楽之友社)

(作成中。)

エチュードとは?

「エチュード(Étude)」とは、フランス語で「練習」や「研究」を意味する言葉で、音楽では特定の演奏技術を身につけることを目的として作られた「練習曲」を指します。ピアノでは、初心者向けの基礎的な教材から、演奏会でも取り上げられる高度な芸術作品まで、非常に幅広いレパートリーがあります。

初心者から中級者にかけて親しまれているのが、ブルグミュラー《25の練習曲 Op.100》です。(バイエルは。厳密にはピアノ教則本です。)「アラベスク」「牧歌」「貴婦人の乗馬」など、それぞれの曲に個性的な性格があり、指の動きだけでなく、強弱、フレージング、リズム、スタッカートやレガートといった基本的な音楽表現を学ぶことができます。単なる技術練習ではなく、短い魅力的な作品を楽しみながら演奏技術を身につけられることが大きな特徴です。さらに中級以降では、ツェルニーやクラーマー=ビューロー、モシェレスなどの練習曲集が、より高度な指の独立、音階、アルペジオ、重音、跳躍などの習得に役立ちます。

そして上級者向けの代表が、ショパン《練習曲集 Op.10》《練習曲集 Op.25》です。ショパンのエチュードは高度な技巧を要求する一方、豊かな旋律、独創的な和声、繊細なニュアンス、劇的な構成を備えており、単なる「練習のための曲」を超えた芸術作品となっています。さらにリスト、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフなども、それぞれの時代と個性を反映した高度なエチュードを残しています。

このようにエチュードは、初心者が基礎技術を学ぶための小品から、熟練したピアニストが技巧と音楽性を極限まで追求する作品までを含む、非常に広いジャンルです。技術を身につけるだけでなく、その技術を美しい音楽表現へと結びつけていくことに、エチュードを学ぶ大きな意義があります。

ピアノ・エクササイズとは?

Exercises(エクササイズ)とは、ピアノを演奏するために必要な指や手の動き、運動能力、基礎的なテクニックを身につけることを目的とした「練習課題」や「技術練習」を指します。エチュード(Étude)も技術の習得を目的としますが、Exercisesはより直接的に、特定の演奏技術を反復して鍛えることに重点を置いているのが特徴です。音楽作品としての完成度や表現性よりも、指の独立、均等性、敏捷性、左右の手の協調など、演奏の基礎となる能力を養うことが主な目的となります。

初歩的なExercisesの代表として知られているのが、ハノン《60の練習曲によるピアノ・テクニック》です。五指を規則的に動かす基本的な音型から始まり、指の独立性や均等なタッチ、左右の手の連携などを反復的に練習します。メロディーを美しく演奏することよりも、指の動きを整え、ピアノを弾くための身体的な基礎を作ることに重点が置かれています。

また、一般にピアノ教材として知られるベレンス(Hermann Berens)の練習曲・指の練習教材も、初級から中級へ進む学習者にとって重要です。ベレンスの作品には、単純な指の運動だけではなく、音階や分散和音、さまざまな音型を実際の音楽的なフレーズの中で練習できるものがあります。そのため、ハノンなどで基礎的な指の動きを学んだ後、より実践的なテクニックへ進むための教材として利用できます。

さらにExercisesの世界は、初歩的な指の訓練だけに限定されません。中級から上級へ進むと、ブラームス《51の練習曲 WoO 6》のように、より高度で専門的な技術を扱う作品も登場します。ブラームスの練習曲は、単純な五指の運動とは異なり、重音、オクターヴ、装飾音、複雑なリズム、指の独立、手の広い音域など、熟練したピアニストにも要求される難しい課題を含んでいます。ブラームス自身の演奏研究やピアノ技巧への深い考察が反映されており、Exercisesというジャンルが非常に高度な領域まで発展し得ることを示しています。

このほか、ツェルニー、クラーマー=ビューロー、モシェレス、ピシュナなどにも、特定の技巧を体系的に鍛えるための教材があります。これらはエチュードとExercisesの境界に位置する作品も多く、明確に二つへ分類できるわけではありません。

つまりExercisesは、ハノンやベレンスのような初歩的な技術練習から、ブラームスのような高度なピアノ技巧の研究までを含む、非常に広い領域です。エチュードが「技術的課題を一つの音楽作品として表現する」方向へ発展したのに対し、Exercisesはより直接的に「演奏技術そのものを研究し、鍛える」ことを目的とします。ピアノ学習においては、単に指を速く動かすためだけではなく、正確なタッチ、手の使い方、音のコントロール、左右の独立などを身につけ、最終的により自由な音楽表現を可能にするための基礎として重要な役割を果たしています。

リンク

ピアノ初心者から中級者へ 超定番・最小限ピアノ楽譜リスト バイエルからジムノペディ ショパン ワルツまで

学習順ピアノ教本 練習曲 楽譜リスト 初心者から中級者まで

難易度順 ピアノソロ教育的性格小品・組曲リスト

クラシックピアノ 知られざる名曲 どこかで聴いた名曲 楽譜リスト

クラシック以外のおすすめピアノソロ楽譜リスト

難易度順 J. S. バッハ ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ショパン ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 シューマン ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 チャイコフスキー ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ドビュッシー ピアノ楽譜 曲集リスト

難易度順 ラヴェル ピアノ楽譜 曲集リスト

楽譜リスト・インデックス 英語版