久石 譲「ピアノ・ストーリーズ」
久石譲さんの美しく壮大かつメランコリックな良曲が多く収録された、私が大好きで常に練習しているピアノソロ・アルバムの楽譜です。
久石譲の「ピアノ・ストーリーズ」は、映画音楽などで知られる美しい旋律を、久石譲自身がピアノ・ソロとして描き直した作品集です。全音楽譜出版社から刊行されている楽譜には、「A Summer’s Day」「Resphoina」「W Nocturne」「The Wind Forest」「Innocent」「Fantasia (For Nausicaa)」など10曲が収められています。
この楽譜の魅力は、単なる映画音楽の簡単なピアノ編曲ではなく、ピアノという楽器の響きを生かして、一つの音楽作品として再構成されているところにあります。右手の旋律を美しく歌わせながら、左手の伴奏やアルペジオを柔らかく整え、音の余韻まで意識して演奏すると、久石譲独特の透明感が現れてきます。
ピアノ学習者にとっては、メロディーを大切にすること、ペダルによる響きの作り方、強弱や間の取り方を学ぶのにも適した一冊です。クラシックとは異なる現代的な響きを楽しみながら、「楽譜に書かれた音を弾く」だけでなく、「音楽を語る」ためのピアノ表現を身につけたい人におすすめしたい作品集です。
久石 譲「ENCORE」
久石譲さんが主に90年代に作曲した名曲のピアノソロ・アレンジメントが収録されています。「ピアノ・ストーリーズ」に比べると優しさや清々しさ、その一方で悲哀、機微、愛と悲劇を楽曲から感じます。
久石譲の「ENCORE」は、映画音楽を中心とする代表的なメロディーを、久石譲自身がピアノ・ソロとして新たに編曲した作品集です。「Summer」「Hatsukoi」「One Summer’s Day(あの夏へ)」「The Sixth Station(6番目の駅)」「HANA-BI」「Ashitaka and San」など11曲を収録。レコーディングに使用した楽譜をもとに本人が編曲・校訂しており、久石譲自身の音楽観を直接味わえる楽譜です。
「ENCORE」の特徴は、華やかな技巧を前面に出すのではなく、旋律の美しさとピアノの静かな響きを大切にしていることです。必要以上の音を省き、シンプルな音型の中に深い余韻を生み出すため、一音一音を丁寧に響かせることが重要になります。
ピアノ練習者にとっては、メロディーを歌わせる表現、ペダルによる音色の変化、静かな音楽の中での間や呼吸を学ぶのに適した一冊です。ジブリ作品のファンだけでなく、クラシックとは異なる現代的なピアノ音楽を楽しみたい人にもおすすめです。
坂本龍一「all about BTTB」
坂本龍一さんの唯一のオリジナル・ピアノソロ・アルバム「BTTB」の楽譜です。タイトルの通り、坂本さんのルーツとなった、特にサティ、そしてショパン、ドビュッシー、プーランクを感じる、複雑ではないが職人的な作曲技法で作られた優れたピアノ小品が多く収められています。全体に、日本でもフランスでもない、クラシック的だけど現代の音楽でもある、明るくも暗くもない、空気や水のような普遍的でニュートラルな感触があります。静かなカフェやレストランでの演奏、現代的な作曲と作曲技法の学習に適していると思います。
坂本龍一の「all about BTTB」は、1998年に発表されたピアノ・ソロ・アルバム『BTTB(Back to the Basic)』を中心に、その音楽世界をピアノで楽しむための楽譜集です。坂本龍一の代表曲「energy flow」をはじめ、静謐で美しい旋律を持つ作品が収められ、クラシック、現代音楽、ミニマル・ミュージックなどの要素が織り込まれた独特のピアノ音楽を味わうことができます。
ピアノ練習者にとって大切なのは、速い指さばきや華やかな技巧よりも、一音一音の音色、フレーズの呼吸、音と音の間に生まれる余韻を意識することです。シンプルに見える楽譜ほど、タッチやペダル、強弱によって演奏の印象が大きく変わります。音を詰め込みすぎず、静けさを大切にして弾くことで、坂本龍一らしい透明感のある世界が立ち上がります。クラシックの練習曲とは異なる、現代的で詩的なピアノ表現を学びたい人におすすめの楽譜です。
ピアノソロ 坂本龍一 「all about BTTB」-BTTB ~ ウラBTTB-
(ヤマハミュージックエンタテイメント)
坂本龍一「/04」「/05」
坂本龍一の「/04」は、2004年に発表されたピアノ・ソロ・アルバム『/04』のオフィシャル・スコアブックです。坂本龍一自身による演奏をもとに、代表的な作品をピアノで弾くための楽譜としてまとめられており、「Merry Christmas Mr. Lawrence」「Aoneko no torso」「Energy Flow」「鉄道員(Poppoya)」など、坂本作品を象徴する美しい旋律に触れることができます。映画音楽やCM音楽など、さまざまな背景を持つ作品が、ピアノという最もシンプルな形に還元されているのも大きな魅力です。
ピアノ練習者にとって重要なのは、楽譜に並んだ音を正確に弾くだけでなく、音と音の間にある静けさまで表現することです。ゆっくりした旋律、繊細な和声、余白を生かしたフレージングは、タッチやペダルによって大きく印象が変わります。派手な技巧を必要とする作品ばかりではありませんが、シンプルだからこそ演奏者の感性が問われます。クラシックとは異なる現代的なピアノ表現を学びながら、坂本龍一の静謐で詩的な音楽世界を自分の手で味わえる一冊です。
坂本龍一の「オフィシャル・スコアブック /05」は、2005年に発表されたセルフカバー・アルバム『/05』をもとに、坂本龍一本人の監修によって作られた公式楽譜集です。全13曲を収録し、「Tibetan Dance」「A Flower is not a Flower」「Energy Flow」「Aqua」「The Last Emperor」「Thousand Knives」「The Sheltering Sky」「Shining Boy & Little Randy」など、初期の作品から映画音楽、CM曲まで幅広い音楽をピアノで味わうことができます。
この『/05』の面白さは、単なる過去作品の再録ではなく、坂本龍一自身によってピアノのために新しく構成し直されている点です。「Happyend」は4台のピアノによる大胆な再構成、「Thousand Knives」はソロ・ピアノ版として生まれ変わり、「Amore」は瞑想的な作品として編曲されています。
ピアノ練習者にとっては、音数の多い技巧的な作品を弾くというより、一音一音の響き、余白、ペダル、静かなフレージングを大切にすることが重要です。楽譜には坂本龍一本人による楽曲解説や演奏のTipsも収められており、作品を理解しながら練習できるのも魅力です。現代的で繊細なピアノ表現を身につけたい人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
注意:三分の一ほどの楽譜はピアノソロではなく、連弾や「ピアノソロあるいは連弾と片手での装飾的パート」の楽譜、「+33」はピアノ八手での「ピアノ・オーケストラ」作品になってます。一方で、チェロと韓国語ラップとピアノの曲「Undercooled acoustica」とチェロとピアノの「Tamago 2004」などは完全ピアノソロ・アレンジになっています。
オフィシャル・スコアブック 坂本龍一「/04」
(リットーミュージック)
オフィシャル・スコアブック 坂本龍一「/05」
(リットーミュージック)
ジョージ・ウィンストン「Piano Solos」
私が敬愛し尊敬する作曲家・ピアニスト、ジョージ・ウィンストンの楽譜集です。ウィンストンの楽曲と演奏にはクラシックとカントリー、ブルースがベースでありながらミニマム・ミュージックやアンビエントのフィーリングを感じる、優しさと懐かしさの一方で現代性と崇高な雰囲気が併立する唯一無二の響きがあります。
ジョージ・ウィンストンの「Piano Solos」は、アメリカのピアニスト・作曲家ジョージ・ウィンストンによる代表的なピアノ作品を集めた楽譜集です。彼の音楽は、クラシック、フォーク、ジャズ、ブルースなどの要素を取り入れながら、自然や季節の移ろいを感じさせる、穏やかで詩的な世界を作り出しています。美しい旋律と繊細な和声、そして独特のリズム感が魅力で、聴くだけでなく自分で弾くことで、その音楽の魅力をより深く味わうことができます。
ピアノ練習者にとって特に興味深いのは、技巧を誇示するのではなく、一つ一つの音をどのように響かせるかが重要になる点です。アルペジオやオスティナートを安定させながら、旋律を歌わせ、ペダルで豊かな余韻を作ることが演奏のポイントになります。クラシックの練習曲とは違った、自由で現代的なピアノ表現を学べる一冊であり、静かな音楽を自分の手で奏でたい人におすすめしたい楽譜集です。
GEORGE WINSTON – PIANO SOLOS
(Hal Leonard/シンコーミュージック)
ピアノ・ソロ Mr.Children Selection
ミスター・チルドレンの作品のピアノソロ・アレンジ・ヴァージョンが46曲、収録されいるソングブックです。特に「掌」「花 -Memento Mori-」「HERO」「君が好き」「しるし」などは、ピアノソロ曲としても優れていると思います。今のポップスのコード進行や作曲の学習として、私は購入しました。また、クラシックの練習に疲れた時の気分転換、リフレッシュメントにも用いることができます。
シンコーミュージックの「ピアノ・ソロ Mr.Children Selection」は、日本を代表するロックバンド、Mr.Childrenの名曲をピアノ・ソロで楽しめる楽譜集です。バンドサウンドではギターやドラム、ベースなどに支えられている楽曲を、ピアノ一台で演奏することで、桜井和寿によるメロディーや歌詞の世界をより身近に感じることができます。「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」など、幅広い時代の人気曲に触れられるのも魅力です。
ピアノ練習者にとっては、歌うようなメロディーを右手で表現しながら、左手の伴奏で曲全体の流れを作る練習に適しています。原曲の歌を知っている場合は、頭の中で歌いながら弾くことで、フレーズの方向性や強弱も自然に身につきます。クラシック作品とは異なるポップスならではのコード進行やリズム感を学ぶ教材としても面白く、好きな曲を弾く楽しさから、毎日のピアノ練習につなげたい人におすすめの一冊です。