学習順ピアノ教本 練習曲 楽譜リスト 初心者から中級者まで

一冊目:バイエル教則本

ほぼ全てのピアノ初学者・入門者が最初に用いるピアノ教本、「バイエル」は、ドイツの作曲家フェルディナント・バイエルによって19世紀に書かれた、ピアノ初心者のための代表的な教則本です。バイエルは、これからピアノを始める学習者のために広く用いられてきた代表的な初級教本です。簡単な音符やリズムから始まり、右手と左手を使った基本的な演奏を段階的に学べるように構成されています。楽譜の読み方、正しい指使い、音符の長さ、リズム、強弱など、ピアノを弾くために必要な基礎を身につけることができます。練習を進めるにつれて、両手の協調や指の独立性も自然に養われ、簡単なメロディーを音楽的に演奏する力へとつながっていきます。初めてピアノを学ぶ人にとって、基礎的な読譜力と演奏技術を身につけるための入門教材として親しまれている一冊です。

レベル:1、全音:✳︎

標準バイエルピアノ教則本: 併用曲付
(全音楽譜出版社)

指の練習:ハノン・ピアノ教本

ハノンは、ピアノ演奏に必要な指の基礎的な技術を身につけるための代表的な練習曲集です。指を均等に動かす練習から始まり、指の独立性、敏捷性、柔軟性、左右の手の協調などを段階的に鍛えていきます。単純な音型を繰り返し練習することで、指の動きを安定させ、鍵盤を正確にコントロールする力を養います。また、一定のテンポを保ちながら演奏することで、リズム感や集中力を高めることにも役立ちます。基本練習だけでなく、音階やアルペジオなど、さまざまなピアノ曲を演奏するための土台となる技術を身につけることができます。初心者から中級者まで、日々の基礎練習に取り入れやすい教材として、長く親しまれている一冊です。バイエル途中あたりから併用して始めて、毎日、練習を続けてください。

レベル:1.5 – 2.5、全音:✳︎✳︎

全訳ハノンピアノ教本
(全音楽譜出版社)

副教材:カバレフスキー「30の子供のやさしい小品集 Op. 27」

カバレフスキーの「30の子供のやさしい小品集 Op.27」は、初級から初中級のピアノ学習者に適した、親しみやすい作品集です。30曲の短い小品には、明るく活発な曲、ユーモラスな曲、穏やかで美しい曲など、さまざまな性格が表現されています。比較的シンプルな音型の中に、レガートやスタッカート、アクセント、強弱、リズムなど、ピアノ演奏に必要な基本的な要素が取り入れられています。特に、カバレフスキーらしい明快で躍動的なリズムを正確に感じ取り、曲ごとの性格を生き生きと表現することが大切です。また、短い曲を一曲ずつ丁寧に仕上げることで、読譜力や指のコントロールだけでなく、音楽を聴き、感じ、表現する力も養うことができます。バイエルやブルグミュラーなどで基礎を学んだ後の副教材や発表会用のレパートリーとしても適しており、楽しみながら確かな演奏力を身につけたいピアノ練習者におすすめの一冊です。

カバレフスキー「30の子供のやさしい小品集」
(全音楽譜出版社)

ポリフォニー音楽入門:J. S. バッハ「アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集」

J.S.バッハの「アンナマグダレーナのためのクラヴィーア小曲集」は、初級から初中級のピアノ練習者が、バッハの音楽に親しむための作品集です。メヌエット、ポロネーズ、マーチ、コラールなど、親しみやすく美しい小品が収められています。比較的短い曲が多いため、一曲ずつ丁寧に取り組みながら、正確なリズムや運指、フレーズ、アーティキュレーションを学ぶことができます。特に大切なのは、右手の旋律だけでなく左手の動きにも耳を傾け、両手の音をバランスよく響かせることです。単純に見える曲でも、自然なフレーズや強弱、音色を工夫することで、演奏の表情は大きく変わります。バイエルやブルグミュラーなどで基礎を学んだ後、より本格的なバッハ作品へ進むための教材としても適しています。美しい旋律を楽しみながら、古典的な音楽感覚と丁寧に音を扱う力を身につけられる、ピアノ学習者にとって大切な一冊です。

バッハ「アンナマグダレーナのためのクラヴィーア小曲集」
(全音楽譜出版社)

二冊目:ブルグミュラー「25の練習曲」

ブルグミュラーの「25の練習曲」は、バイエルを終えた多くのピアノ学習者に広く親しまれている代表的な曲集です。短く親しみやすい25曲で構成され、それぞれの曲に異なる性格や表情があります。指の動きや音階、和音、アルペジオなどの基本的な演奏技術を身につけながら、強弱、アーティキュレーション、フレーズ、テンポなど、音楽を表現するための大切な要素も学ぶことができます。単なる技術練習にとどまらず、一曲ごとに旋律を歌わせ、情景や感情を想像しながら演奏することが求められるため、ピアノを「正しく弾く」ことから「音楽的に弾く」ことへ進むための教材として特に適しています。バイエルなどで基礎を学んだ後、ツェルニーやソナチネへ進む段階にもふさわしい、初中級の重要なレパートリーです。

レベル:1.5 – 2、全音:✳︎✳︎

ブルクミュラー「25の練習曲」
(全音楽譜出版社)

副教材:ギロック「叙情小曲集」

ウィリアム・ギロックの「叙情小曲集」は、初級から中級のピアノ練習者が、技術と音楽的な表現力をバランスよく身につけるための作品集です。短い小品の中に、ロマンティックな曲、静かで幻想的な曲、軽快でリズミカルな曲など、さまざまな雰囲気が描かれています。技術的には無理のない作品が多い一方、旋律を美しく歌わせること、伴奏とのバランスを整えること、レガートやスタッカートを弾き分けることなど、演奏表現を学ぶための要素が豊富に含まれています。特に、音の強弱やタッチ、ペダリングによって音色を変化させ、曲ごとの情景や感情を表現することが大切です。ブルグミュラーやカバレフスキーなどを学んだ練習者が、基礎的な技巧から一歩進んで、より自由に音楽を表現する力を養うのにも適しています。美しい旋律を楽しみながら、一曲一曲を丁寧に仕上げることで、ピアノを「弾く」だけでなく「歌わせる」感覚を身につけられる魅力的な作品集です。

ギロック「叙情小曲集」
(全音楽譜出版社)

必須副教材:ツェルニー 百番練習曲

ツェルニー「100番練習曲」は、初級から初中級へ進むピアノ学習者のための代表的な練習曲集です。100曲の短い練習曲を通して、指の独立性や敏捷性、音階、分散和音、和音など、ピアノ演奏に必要な基本的な技術を段階的に身につけていきます。各曲は比較的簡潔にまとめられているため、毎日の基礎練習にも取り組みやすく、無理なく技術を積み重ねることができます。また、正確なリズムや均一な音、左右の手の協調を意識して練習することで、鍵盤をコントロールする力も養われます。バイエルを終えた後の学習教材として適しており、ブルグミュラー「25の練習曲」との併用やソナチネ、さらに高度なツェルニー30番練習曲へ進むための基礎を固める一冊です。

ツェルニー 100番練習曲
(全音楽譜出版社)

副教材:カバレフスキー「こどものためのピアノ小品集 Op. 39」

ドミトリー・カバレフスキーの「こどものためのピアノ小品集 Op.39」は、初級から初中級のピアノ学習者に親しまれている作品集です。全24曲の短い小品には、明るく快活な曲、ユーモラスな曲、静かで叙情的な曲など、さまざまな性格が描かれています。技術的には比較的取り組みやすい一方で、リズムの正確さ、スタッカートやレガート、強弱、アクセント、テンポの変化など、ピアノ演奏に必要な要素を幅広く学ぶことができます。特に、明快で生き生きとしたリズムを正確に表現することが重要です。また、短い旋律の中から曲の性格を感じ取り、タッチや音色を工夫することで、単なる練習曲ではない音楽的な演奏を目指せます。バイエルやブルグミュラーなどで基礎を学んだ後のレパートリーとしても適しており、楽しみながらリズム感、表現力、読譜力を高めることができる魅力的な一冊です。また、発表会のレパートリーとして親しまれている曲が多く収録されています。

カバレフスキー「24のピアノ小品集」
(全音楽譜出版社)

副教材:デュベルノア「2つの練習曲」

「デュベルノアの2つの練習曲」は、初級から初中級のピアノ練習者が、指の動きと演奏の基礎を身につけるのに適した教材です。短い曲の中に、指の独立性や正確なリズム、左右の手の協調、音の粒をそろえる技術などがまとめられています。単純に音符を追うだけでなく、一定のテンポを保ちながら、旋律と伴奏のバランスを意識して練習することが大切です。また、フレーズや強弱を丁寧に表現することで、技術練習を音楽的な演奏へとつなげることができます。バイエルやブルグミュラーなどで基礎を学んだ後、より安定した指の動きや表現力を身につけたい学習者におすすめの練習曲です。

デュベルノア「二つの練習曲」
(全音楽譜出版社)

ポリフォニー音楽:バッハ「クラヴィーア小曲集」

ヨハン・セバスチャン・バッハの「クラヴィーア小曲集」は、インヴェンションに進む前のピアノ学習者に適した、バッハ入門のための曲集です。メヌエット、プレリュード、ポロネーズ、ブーレなど、さまざまな小品が収められており、ソナチネ程度までの学習者が他の教材と併用して取り組めるよう選曲されています。単に音符を正確に弾くだけでなく、バロック音楽特有のアーティキュレーション、装飾音、フレージング、左右の声部のバランス、そして様式感を身につけることが大切です。特に、旋律を歌わせながら伴奏の音にも耳を傾けることで、丁寧に音楽を組み立てる力が養われます。バイエルやツェルニー、ブルグミュラーなどで基礎を身につけた後、バッハのインヴェンションへ進むための橋渡しとしても優れた一冊です。

バッハ「クラヴィーア小曲集」
(全音楽譜出版社)

三冊目:ソナチネ・アルバム 1

「ソナチネアルバム 1」は、初中級のピアノ学習者にとって重要な曲集です。クーラウ、クレメンティ、ドゥシェック、ベートーヴェンなどの作品を通して、古典派のピアノ音楽の基本を学ぶことができます。ソナチネの各楽章を演奏しながら、ソナタ形式やロンド形式などの楽曲構成を理解し、旋律、伴奏、フレーズ、強弱、アーティキュレーションを意識した演奏を身につけます。また、音階や分散和音、和音、左右の手のバランスなど、さまざまな演奏技術を実際の作品の中で磨くことができます。単に音符を正しく弾くだけでなく、曲の構造を理解し、自然なフレーズを作り、音楽を表現する力を養えることが大きな魅力です。バイエルやブルグミュラー、ツェルニーなどで基礎を身につけた学習者が、本格的なクラシック・ピアノ作品へ進むための大切なステップとなる曲集です。

ソナチネ アルバム 1
(全音楽譜出版社)

必須サブテキスト:ツェルニー 三十番練習曲

ツェルニー「30番練習曲」は、初級を終え、中級へ進むピアノ学習者のための代表的な練習曲集です。30曲の練習曲を通して、指の独立性や敏捷性、音階、分散和音、和音、連続音など、ピアノ演奏に必要なさまざまなメカニカルな技術を段階的に磨いていきます。一定のテンポで正確に弾くことや、左右の手を均等に動かすことを意識することで、指のコントロールと演奏の安定性を高めることができます。また、単なる指の訓練だけでなく、フレーズや強弱、アーティキュレーションを意識して演奏することで、音楽的な表現力も養われます。ブルグミュラーやソナチネなどで基礎を身につけた学習者が、より高度なクラシック作品へ進むための重要なステップとなる教材です。ショパンやリストなどの作品を学ぶ際にも役立つ、確かな演奏技術の土台を作る一冊です。

ツェルニー 30番練習曲
(全音楽譜出版社)

四冊目:ソナチネ・アルバム 2

ソナチネ アルバム 2は、初級から中級へ進んだピアノ学習者が、古典派の音楽を本格的に学ぶための曲集です。クーラウ、クレメンティ、ドゥシェックなどの作品を通して、ソナチネの明快で端正な様式や、楽曲の構成を理解していきます。ソナタ形式やロンド形式などを実際の作品で学ぶことで、楽譜を読み、曲全体を見通して演奏する力も養われます。また、音階や分散和音、和音などの演奏技術に加え、正確なリズム、左右の手のバランス、強弱、アーティキュレーション、フレーズの作り方を身につけることができます。ツェルニーなどの練習曲と並行して取り組むことで、技術だけでなく、音楽的な表現力を伸ばす教材としても役立ちます。古典派のピアノ作品から、ベートーヴェンやモーツァルトなどのソナタへ進むための重要なステップとなる一冊です。

ソナチネアルバム 2
(全音楽譜出版社)

教育的小品集:シューマン「ユーゲント・アルバム」

ロベルト・シューマンの「ユーゲント・アルバム(子供のためのアルバム)」Op.68は、ピアノを学ぶ人が技術だけでなく、音楽を表現する楽しさを身につけるための教育的性格小品集(Pedagogical Characteristic Pieces)です。全43曲には、子どものための親しみやすい小品から、詩情豊かな作品まで、さまざまな性格の曲が収められています。比較的シンプルな音型の中にも、旋律の歌わせ方、フレーズ、強弱、リズム、アーティキュレーションなど、ピアノ演奏に必要な大切な要素が凝縮されています。特に、右手の旋律と左手の伴奏のバランスを意識し、一音一音を丁寧に響かせることが重要です。ブルグミュラーなどで基礎を学んだ初中級の学習者にも適しており、短い曲を一つずつ仕上げながら、想像力と表現力を育てることができます。シューマンの豊かな詩情に触れながら、技術練習を音楽そのものへと発展させてくれる、ピアノ学習者にとって魅力的な一冊です。

シューマン「ユーゲントアルバム」
(全音楽譜出版社)

中級エチュード:ヘラー「リズムと表現のための練習曲 Op. 47」

シュテフェン・ヘラーの「リズムと表現のための練習曲」Op.47は、ピアノの演奏技術と音楽的な表現力を同時に身につけるための練習曲集です。単なる指の訓練ではなく、リズムの正確さや柔軟なフレーズ、旋律の歌わせ方、強弱の変化などを意識して演奏することが求められます。各曲にはそれぞれ異なる性格があり、練習を進める中でさまざまなタッチや音色を使い分ける力も養われます。特に、右手の旋律と左手の伴奏を適切にバランスさせ、拍子やリズムを保ちながら自然な音楽の流れを作ることが重要です。ツェルニーなどで基礎的な技巧を身につけた学習者が、機械的な練習から一歩進み、より表情豊かにピアノを弾くための教材として適しています。技術と表現を結びつけながら、一曲一曲を音楽的に仕上げる楽しさを学べる練習曲集です。

ヘラー「リズムと表現のための練習曲」
(全音楽譜出版社)

中級エチュード:ヘラー「25の練習曲 Op. 45」

シュテフェン・ヘラーの「25の練習曲 Op.45」は、ピアノの基礎技術を磨きながら、豊かな音楽表現を身につけるための練習曲集です。ヘラーの作品は、単なる指の訓練にとどまらず、旋律の歌わせ方、フレーズ、強弱、リズム、アーティキュレーションなどを丁寧に学べることが特徴です。25曲それぞれに異なる性格があり、軽やかな動きや流れるような旋律、繊細な表情など、さまざまな演奏表現を経験できます。練習では、音符を正確に弾くことだけでなく、右手の旋律を美しく響かせ、左手の伴奏とのバランスを整えることが大切です。ツェルニーの練習曲などで指の技術を身につけた学習者が、技術を音楽的な表現へ発展させるための教材として適しています。美しい小品を楽しみながら、より自然で表情豊かなピアノ演奏を目指すことができる一冊です。

ヘラー「25の練習曲」
(全音楽譜出版社)

中級エチュード:モシュコフスキー「20の小練習曲 Op. 91」

モーリッツ・モシュコフスキーの「20の小練習曲 Op.91」は、ピアノの基礎技術を磨きながら、音楽的で表情豊かな演奏を学ぶための練習曲集です。20曲それぞれに異なる性格があり、指の独立性や敏捷性、音階、分散和音、和音、左右の手の協調など、さまざまな演奏技術を身につけることができます。モシュコフスキーの作品は技巧的でありながら旋律が美しく、機械的な練習になりにくいことも魅力です。練習では、正確に音符を弾くだけでなく、旋律を歌わせ、フレーズや強弱、アーティキュレーションを意識することが大切です。ツェルニー30番などで基礎的な指の技術を身につけた学習者が、さらに高度な技巧と表現力を養う教材として適しています。美しい音楽を楽しみながら、指のコントロールと演奏の完成度を高めることができる一冊です。

モシュコフスキー「20の小練習曲」
(全音楽譜出版社)

古典派作品:モーツァルト「6つのウィーン・ソナチネ」

モーツァルトの「6つのウィーン・ソナチネ」は、古典派のピアノ音楽を学ぶ練習者に適した作品集です。6曲のソナチネを通して、明快で優雅な旋律、規則正しいリズム、バランスの取れたフレーズなど、モーツァルトの音楽に欠かせない基本を学ぶことができます。技術的には比較的取り組みやすい一方、音数が少ない部分でも一音一音を丁寧に弾き、旋律と伴奏を明確に区別することが求められます。特に、左右の手のバランス、レガート、アーティキュレーション、装飾音、強弱を意識することで、透明感のある美しい演奏につながります。また、楽曲の構造を理解し、フレーズの方向性や和声の変化を感じながら演奏することも大切です。ソナチネやソナタを学ぶための基礎として、古典派の様式感と音楽的な表現力を身につけることができる、ピアノ練習者におすすめの作品集です。

モーツァルト「6つのウィーンソナチネ」
(全音楽譜出版社)

古典派作品:モーツァルト「アイネ・クライネ・ハナトムジーク K.V. 525」

モーツァルトの「アイネ・クライネ・ハナトムジーク」K.525は、もともと弦楽合奏のために作曲された作品ですが、ピアノソロ用にも編曲され、ピアノ学習者にも親しまれています。第1楽章の明快で華やかな主題をはじめ、優雅なメヌエット、穏やかなロマンス、軽快な終楽章など、モーツァルトの音楽の魅力を一台のピアノで楽しむことができます。演奏では、旋律を美しく歌わせながら伴奏を軽く保ち、左右の手のバランスを整えることが重要です。また、古典派らしい端正なフレーズ、明確なアーティキュレーション、自然な強弱を意識することで、透明感のある演奏に仕上がります。原曲の合奏を想像しながら、それぞれの声部を弾き分けることも大切です。ソナチネやソナタを学んでいる練習者が、古典派の様式感とアンサンブル的な音の聴き方を身につける教材としても適した、親しみやすい作品です。

モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
(全音楽譜出版社)

ブルグミュラー「18の練習曲 Op. 109」

ブルクミュラーの「18の練習曲 Op.109」は、「25の練習曲 Op.100」を終えた後のピアノ学習者が、より高度なテクニックと音楽表現を身につけるための練習曲集です。全18曲には、「真珠」「泉」「子守歌」「セレナード」「大雷雨」「ゴンドラの船頭歌」「紡ぎ歌」など、さまざまな性格を持つ作品が収められています。単に指を速く動かすための練習ではなく、それぞれの曲のイメージに合った音色、フレージング、アーティキュレーション、強弱、ペダルなどを工夫しながら演奏することが大切です。特に、旋律を美しく歌わせる力と、伴奏とのバランスを整える力を養うのに適しています。「25の練習曲」からさらに一歩進み、ツェルニー30番やソナチネ、ロマン派の作品へ進むための基礎を固める教材としても有用です。技術と表現を結びつけながら、より豊かなピアノ演奏を目指す学習者に適した一冊です。

ブルグミュラー「18の練習曲」
(全音楽譜出版社)

本格的ピアノ作品の導入:サティ「3つのジムノペティ」

エリック・サティの「ジムノペディ」は、3曲からなるピアノ作品集で、サティを代表する作品の一つです。ゆったりとしたテンポ、シンプルで美しい旋律、独特の和声によって、静かで幻想的な音楽世界が描かれています。ピアノ練習者にとっては、音符を正確に弾くだけでなく、音の響きや余韻、フレーズ、ペダリングを意識して演奏することを学べる作品です。特に、少ない音数の中で旋律を自然に歌わせ、伴奏とのバランスを整えることが重要になります。強く感情を表現するのではなく、落ち着いたタッチと繊細な音色を大切にすることで、サティ独特の静謐な雰囲気を表現できます。比較的取り組みやすい作品でありながら、音色やペダルの使い方によって演奏の印象が大きく変わるため、ピアノの表現力を深める教材としても適しています。

サティ「3つのジムノペディ」全音ピアノピース
(全音楽譜出版社)

本格的ピアノ作品の導入:ショパン「ワルツ集」

多くのピアノを学ぶ人、演奏したい人が誰もが憧れるフレデリック・ショパンの『ワルツ集』です。ピアノ学習者がロマン派の音楽表現を学ぶための重要なレパートリーです。華やかで優雅な舞曲から、繊細で哀愁を帯びた作品まで、それぞれのワルツに異なる性格と美しさがあります。演奏では、左手の伴奏を安定させながら右手の旋律を自然に歌わせ、優雅なリズムと柔らかなフレーズを表現することが大切です。また、強弱やテンポの変化、ルバート、ペダリングを工夫することで、ショパン特有の詩的な響きを引き出すことができます。比較的取り組みやすい作品から高度な技巧を必要とする作品まで幅広く含まれているため、自分のレベルに合った曲を選んで学ぶことができます。ツェルニーやソナタなどで基礎技術を身につけた学習者が、技術だけでなく、旋律を歌わせる力や繊細な音楽表現をさらに深めるために適した曲集です。演奏が容易な19番や18番から初めて14番、15番、2番、8番と徐々に、難易度の高い曲を演奏していきましょう。

ショパン「ワルツ集(遺作付)」
(全音楽譜出版社)

ショパン「ワルツ集(遺作付)」
(音楽之友社)

五冊目:ソナタ・アルバム 1

「ソナタ アルバム 1」は、中級から上級へ進むピアノ学習者のための代表的な曲集です。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなど、古典派を中心としたピアノ・ソナタを収録し、本格的なクラシック作品を学ぶための重要な教材となっています。ソナタ形式の構成を理解し、主題の提示や展開、再現といった楽曲の流れを意識して演奏することで、曲全体を見通す力を養うことができます。また、明快なフレーズ、左右の手のバランス、装飾音、強弱、アーティキュレーションなど、古典派作品に欠かせない演奏技術と表現力を身につけることができます。ソナチネからさらに進んだ作品に取り組みたい学習者にとって、音楽的な理解と演奏技術を一段階高めるための大切な一冊です。

ソナタ・アルバム 1
(全音楽譜出版社)

六冊目:ソナタ・アルバム 2

「ソナタ アルバム 2」は、中級以上のピアノ学習者が、古典派からロマン派へとレパートリーを広げていくための重要な曲集です。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンをはじめとする作曲家のソナタを通して、より大きな楽曲構成を理解し、長い楽章をまとめて演奏する力を養います。主題の性格や展開、調性の変化を意識しながら演奏することで、楽譜を立体的に読み取る力も身につきます。また、明確なフレーズ、アーティキュレーション、強弱、装飾音、左右の手のバランスなど、古典派作品に求められる繊細な表現を学ぶことができます。ソナチネや「ソナタ アルバム 1」で培った基礎をさらに発展させ、より高度なソナタやロマン派の作品へ進むための土台となる一冊です。

ソナタ・アルバム 2
(全音楽譜出版社)

ロマン派上中級作品:シューマン「子供の情景 Op. 15」

ロベルト・シューマンの「子供の情景」Op.15は、子どもの世界を大人の視点から描いた13曲のピアノ小品集です。「見知らぬ国と人々について」「トロイメライ」「鬼ごっこ」など、それぞれの曲に異なる情景や感情が込められています。ピアノ練習者にとっては、難しい技巧を身につけるだけでなく、旋律を美しく歌わせ、音楽の雰囲気を表現する力を学ぶのに適した作品です。特に「トロイメライ」のような曲では、ゆっくりしたテンポの中で音と音のつながりを意識し、自然なフレーズを作ることが大切です。また、強弱やペダリング、音色の変化を丁寧に扱うことで、シューマン特有の繊細で詩的な世界を表現できます。比較的短い曲が多いため、一曲ずつ丁寧に仕上げながら、読譜力と音楽的な想像力を高めることができます。ブルグミュラーや「ユーゲント・アルバム」を学んだ後に取り組む作品としても適しており、ピアノで物語や情景を表現する楽しさを教えてくれる魅力的な作品集です。

シューマン「子供の情景とアベッグ変奏曲」
(全音楽譜出版社)

印象派入門:ドビュッシー「子供の領分 CD119, L. 113」

クロード・ドビュッシーの「子供の領分」は、1908年に作曲された6曲からなるピアノ小品集です。子どもの世界を題材にしながらも、単純に子ども向けの音楽としてではなく、繊細な色彩感とユーモア、幻想的な雰囲気を持った作品として描かれています。「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」「ゴリウォーグのケークウォーク」など、曲ごとに異なる性格があり、ドビュッシー独自の響きとリズムを楽しむことができます。ピアノ練習者にとっては、音符を正確に弾くだけでなく、音色、タッチ、ペダリング、強弱、フレーズを細やかにコントロールする力を学ぶのに適した作品です。特に、音の重なりや余韻を大切にし、旋律と伴奏のバランスを整えることが重要です。古典派やロマン派の作品とは異なる、印象主義的な音楽表現に触れることができ、ピアノで色彩や情景を表現する楽しさを教えてくれる作品集です。

実用版 ドビュッシー ピアノ作品全集8「子供の領分」中井正子 校訂
(ハンナ)

ドビュッシー「こどもの領分」
(全音楽譜出版社)

ドビュッシー「子供の領分」
(音楽之友社)

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